HondaJet 2600 Concept [├雑談]
ホンダエアクラフトから HondaJet 2600 Concept が発表されましたね。
このコンセプト機について、思いつくままにぐだぐだと書いてみます。
このコンセプト機について、思いつくままにぐだぐだと書いてみます。
全長 | 全幅 | 胴体高さ | 最大離陸重量 | 巡航速度 | |
HondaJet Elite | 12.99m | 12.12m | 1.47m | 4,854kg | 782km/h |
HondaJet 2600 Concept | 17.62m | 17.28m | 1.59m | 7,900kg | 833km/h |
増加率 | +35.64% | +42.57% | +8.16% | +62.75% | +6.52% |
■ストレッチ型じゃない
まずは従来のホンダジェットと今回のコンセプト機の比較なんですが、
上の表は極力ホンダ公式サイトから、そしてWiki/Honda HA-420 HondaJet から数字を頂きました。
因みにキャビンの寸法についてはYouTube動画内で、
ホンダエアクラフトのマーケティングシニアディレクターが、
「キャビンの高さは62.5インチ(1.59m)、幅は61インチ(1.55m)」と説明してました(下記リンク参照)。
オイラは、ホンダジェットが軌道に乗ったら是非大型化して欲しいと思っていたんですが、
大型化するとしたら、絶対ストレッチ型が出ると思ってました。
ストレッチ型とは、胴体断面は変更せずそのまま胴体を伸ばすというやり方です。
ストレッチは小型機から大型機まで広く見られる手法で、
A380は将来ストレッチ型を出すことを見越して設計段階からちょっと大きめの主翼にしてました。
ストレッチは開発費を抑えて容易に輸送量を増加させる大変便利な方法なのですが、表をご覧の通りで、
率でいえば全長より全幅の方が増え、しかも胴体の高さも大きくなってますから、
これは主翼も胴体も新開発ということです。
また、巡航速度は6.52%の増速ですが、仮に同一の機体で6.52%増速するためには、
20.9%の出力アップが必要です。
ところがこのコンセプト機の場合、胴体が大きく長くなった上に最大離陸重量は6割強増えていますから、
これでは従来型のエンジン出力ではとても間に合いません。
つまりこのコンセプト機は、主翼、胴体、エンジン全て一新された機体ということです。
ということで、ホンダジェットの代名詞とも言えるあの独特なエンジン配置、
そして愛嬌のある機首部分はホンダジェットそのままなので、
単なるストレッチ型かと思ったら実はそうではありませんでした。
あの形状に騙されてました(←人聞き悪い)。
このコンセプト機が実際に開発されることになるとしたら、エンジンも専用のものを自前で作るのかしらん。
提携先のGEの一番小さいエンジンて、どうなのかしらん。
機種 | 最大離陸重量 | 航続距離 |
HondaJet 2600 Concept | 7,900 kg | 4,862km |
Learjet 40 | 9,231 kg | 3,439 km |
Learjet 75 | 9,752 kg | 3,780 km |
Embraer Phenom 300 | 8,150 kg | 3,650 km |
Cessna Citation XLS+ | 9,163 kg | 3,441 km |
Cessna Citation CJ2+ | 5,670 kg | 3,298 km |
Cessna Citation CJ3+ | 6,291 kg | 3,778 km |
Cessna Citation CJ4 | 7,761 kg | 4,010 km |
■2600であるということ
ホンダのプレスリリースでは、既存のホンダジェットは「ベリーライト」というクラスに、
そしてコンセプト機は1つ上の「ライト」クラスに属しているとしており、この「ライトクラス」について、
「最大離陸重量が12,500ポンド以上、20,000ポンド以下の双発エンジンを搭載した機体」
としています(下記リンク参照)。
ということで上の表では、
12,500~20,000ポンド(5,669~9,072kg)の範囲のビジネスジェットを並べてみました(おおよそですが)。
ホンダが「ライトクラスで米国大陸横断可能なのは世界初」と言う通り、
同クラスの他社さんと比較して、コンセプト機の航続距離が頭一つ二つ抜けてますね。
この航続距離(4,862km≒2,625nm)だと米大陸横断も余裕で可能となります。
ホンダジェットは今年の夏、エンジン配置、自然層流翼、自然層流ノーズ等の革新技術が評価され、
この業界では世界最高峰とされる「AIAAリード航空賞」を受賞しました。
ビジネスジェット機でも、19人乗りとかもっと上のクラスだと、10,000km超えの機種はザラにあるのですが、
ホンダは、ホンダジェットで培った革新技術をさらに進化させることで、
「ライト」クラスでこの航続距離、燃費性能を実現するとしています。
米大陸をノンストップで横断するためには、現状では「ライト」より上のクラスでなければならないのですが、
今後コンセプト機が実用化され、搭乗者数がそれほど多くなければ、
「ライトクラスでもいける」という世界が実現することに。
ホンダでは、コンセプト機で米大陸を横断することにより、
同クラス機より20%、「中型」クラスで飛ぶより40%の燃費向上を目指すとしています。
ホンダのプレスリリースでは、既存のホンダジェットは「ベリーライト」というクラスに、
そしてコンセプト機は1つ上の「ライト」クラスに属しているとしており、この「ライトクラス」について、
「最大離陸重量が12,500ポンド以上、20,000ポンド以下の双発エンジンを搭載した機体」
としています(下記リンク参照)。
ということで上の表では、
12,500~20,000ポンド(5,669~9,072kg)の範囲のビジネスジェットを並べてみました(おおよそですが)。
ホンダが「ライトクラスで米国大陸横断可能なのは世界初」と言う通り、
同クラスの他社さんと比較して、コンセプト機の航続距離が頭一つ二つ抜けてますね。
この航続距離(4,862km≒2,625nm)だと米大陸横断も余裕で可能となります。
ホンダジェットは今年の夏、エンジン配置、自然層流翼、自然層流ノーズ等の革新技術が評価され、
この業界では世界最高峰とされる「AIAAリード航空賞」を受賞しました。
ビジネスジェット機でも、19人乗りとかもっと上のクラスだと、10,000km超えの機種はザラにあるのですが、
ホンダは、ホンダジェットで培った革新技術をさらに進化させることで、
「ライト」クラスでこの航続距離、燃費性能を実現するとしています。
米大陸をノンストップで横断するためには、現状では「ライト」より上のクラスでなければならないのですが、
今後コンセプト機が実用化され、搭乗者数がそれほど多くなければ、
「ライトクラスでもいける」という世界が実現することに。
ホンダでは、コンセプト機で米大陸を横断することにより、
同クラス機より20%、「中型」クラスで飛ぶより40%の燃費向上を目指すとしています。
国 名 | 日本 | ドイツ | フランス | 英国 | インド | 中国 | サウジアラビア | 米国 |
保有数(機) | 57 | 592 | 438 | 393 | 243 | 157 | 116 | 19,153 |
この表は国交省の資料:ビジネス機の国別保有機数(2016年)から作りました(下記リンク参照)、
サウジアラビアって、なんか大富豪がもっといっぱい持ってそうなイメージなんですけどね。
まあとにかく米国は文字通り桁違いに他国を圧倒しています。
つまりたくさん売るためには、とにもかくにも米国人の心に響くスペックでなければお話になりません。
ホンダエアクラフトの藤野氏は以前のインタビューで、
「ビジネスジェットの本場北米に拠点を設けたからこそ、市場から求められる仕様を定めることができた」
と述べています。
コンセプト機の航続距離が2500nmでも2700nmでもなく、2600nmなのはきっとそういうことなのでしょう。
「この機体はノンストップで米大陸横断ができるんですよ!」
というのは(特に米国人にとって)、何よりのパワーワードなのだと思います。
余談ですが HondaJet 2600 Concept の動画では、
モックアップ機の胴体後部の荷物室を覗き込み、非常に驚いた表情の人物が映ってました。
もしかしたら、日常的にビジネスジェット機をよく利用する方なのかもしれません。
ビジネスジェット機はどれも判を押したようにリアジェット方式であり、
胴体後部はエンジン支持部材、機器類で埋め尽くされています。
胴体後部が"金属の塊"で埋め尽くされているのが当たり前の状態をよく知る人ほど、
胴体後部が空っぽというのは、違和感とか驚きを感じるはずです。
■ホンダジェットの今後
今回発表されたコンセプト機は、既存のホンダジェットより1クラス上の機体であるにもかかわらず、
ストレッチ型かと見紛うほど、エンジン配置も含めてほとんど同じデザインなのですが、
藤野氏自身は以前のインタビューで「今後発展型でも同様のエンジン配置を使いますか」と問われた際、
「使える機体なら使いたいです。機体によってベストな方法がありますから、一番良い方法を考えたいです」
と答えています。
ホンダジェットのエンジン配置は確かに革新的な大発明ではあるのですが、
藤野氏ご本人は「なにがなんでもこの配置でなければならない!」と決めつけている訳ではなく、
「ライトクラスの機体でもこのエンジン配置が最善である」と判断したから同じデザインになった。
ということのようですね。
ホンダジェットのエンジン配置は、仮にこのまま大型化が進んだ場合、
従来機と比較して、日常点検や整備性のデメリットが増えてゆくのではないかと思います。
そもそもあの位置にエンジンを配置した空力的な理由は、
非常にざっくり言うと、「この場所だと空気抵抗が減る」から。ということです。
なんか独創的でカッコいいから。とかでなく、空気抵抗を減らすという目的達成のためにあの位置になりました。
今後更に解析技術が進めば、そして機体の大型化が進めば、
これまで誰も想像し得なかった「この場所だと空気抵抗が減る」位置が見つかり、
また我々をアッと驚かせてくれるようなデザインの機体が登場するかもしれません。
関連サイト:
YouTube/HondaJet 2600 Concept design■
ホンダ公式プレスリリース/HondaJet 2600 Concept■
日本マーケットにおけるビジネスジェットの可能性■
HondaJet・6 機体の特徴など■
YouTube/HondaJet 2600 Concept design■
ホンダ公式プレスリリース/HondaJet 2600 Concept■
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HondaJet・6 機体の特徴など■
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