アメリカ・テッドスティーブンズ・アンカレッジ国際空港 [├海外の空港、飛行場]
2017年2月作成(データは作成時のものです)
SkyVector.com
アラスカ州アンカレッジにある「テッドスティーブンズ・アンカレッジ国際空港」。
かつて日本のアメリカ、欧州便がテクニカルランディングで散々お世話になった、
あの「アンカレッジ空港」です。
いつの間にか上院議員の名前を冠するようになっていたんですね。
このマップは、成田空港とJFK空港を結んだものです。
上の青線が最短の大圏コース(10,841km)。
下の赤線がアンカレッジ空港経由の大圏コース(10,959km)。
残念ながらオイラは実際の飛行コースを知らないので、
当記事内に出てくるマップの線と距離は飽くまで、「単純に二点間をグーグルマップ上で結んでみました」
というだけのものです。
実際の飛行コース、飛行距離ではありませんのでご了承くださいませ。
話を戻します。
こうして二次元で比較すると、目の錯覚とかでなく、どう考えても赤線の方が短いんですが、
実は118km遠回りになるんですね。
成田から最短のコースで飛ぶと、カムチャッカ半島上空、そしてその後も当時のソ連領上空を、
延々飛行するルートになる訳なのですが、
1980年代末まで、カムチャッカ半島上空を避けて、アンカレッジ空港を経由するルートでした。
冷戦当時はこのルートを飛ぶことが出来なかったため、遠回りを強いられることになったのと、
当時の旅客機には、この距離を無着陸で飛行する航続性能がなかったたため、
アンカレッジ空港に給油目的で立ち寄ることにした訳です。
まっすぐアンカレッジに向かうルートだと、自然とカムチャッカ半島の東に逸れるコースになりますしね。
こちらは日本からロンドンに行く場合のルート。
青線が最短距離の大圏コース(シベリアルート)なのですが、こちらもソ連領上空を延々通過することになります。
そのためソ連を迂回する黄色線(南回りルート)が開設されたのですが、
こちらは寄港地がやたらと多く(マップの寄港地は一例で、他にもいろいろありました)、時間もかかります。
青線が9,601kmに対し、黄色線は15,462kmもあります(@Д@)
ということで、こちらもアンカレッジ経由の北極圏を飛行する赤線の「ポーラルート」(12,727km)が開設されました。
JALは1960年代初めにアンカレッジ経由シアトル線を開設し、
一方欧州便の方も、1960年代から1987年にかけてロンドン、パリ、アムステルダム、デュッセルドルフ等各都市に、
アンカレッジ経由の「ポーラルート便」を続々開設しました
このように、日本から米国、欧州に向かう便は、アンカレッジ空港に散々お世話になり、
「アンカレッジ空港最大のお得意さんはJAL」と言われたり、「アンカレッジのうどん」が名物になったりしました。
その後冷戦終結と共にロシアが領空通過料を取得する方針に転換したこと、旅客機の航続性能が向上したことから、
アンカレッジ経由便の旅客機は徐々に減少し、現在ではすっかり寂しい状態になってしまいました。
しかしそれでアンカレッジ空港は閑古鳥が鳴く状況になったのかというと決してそんなことはなく、
現在は貨物取扱の方に主軸を移して大活躍しており、2015年の世界の空港 貨物取扱量ランキングでは、
第4位にランクしています。
因みに成田はズルズルと後退を続けており、2015年は第8位でした(一時10位まで落ちたけどちょっと持ち直した)。
成田は2000年前半はずっと2位だったんですけどね~。
北半球の主要都市に近いこと、広大な物流拠点の敷地確保が容易であることから、
FedEx等がアンカレッジ空港をハブに設定しています。
加えて航空貨物の需要増と共に、最初からアンカレッジにテクラン前提で燃料を意図的に減らして貨物を満載する。
という運用方式が広く用いられるようになったこと等から、アンカレッジの大躍進に繋がったようです。
アメリカ・テッドスティーブンズ・アンカレッジ国際空港
テッドスティーブンズ・アンカレッジ国際空港 データ
設置管理者:State of Alaska DOT&PF
種 別:公共用
3レター:ANC
4レター:PANC
標 高:151 ft / 46 m
標 点:61°10′27″N 149°59′54″W
滑走路:
10,600ft(07L/25R) アスファルト
12,400ft(07R/25L) アスファルト/コンクリート
10,960ft(15/33) アスファルト
沿革
1951年 空港建設
関連サイト:
公式サイト■
Wiki/Ted Stevens Anchorage International Airport■
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