中禅寺湖水上機基地跡地 [├国内の空港、飛行場]
2018年6月訪問 2022/1更新
栃木県日光市の中禅寺湖。
戦前の中禅寺湖畔には、各国大使館をはじめ多くの外国人別荘があり、
その数は大正末期には40を超えていたのだそうです。
そしてこの大使館員輸送のため、また遊覧飛行のため、戦前ここに水上機が飛んでいた時期があります。
「フライフィッシング用語辞典」というサイト様(下記リンク参照)の中で、
「東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部」というクラブについて解説があります。
このクラブは大正14年(1925年)、主に外国の大使などを会員として結成されたもので、
クラブハウスは中禅寺湖畔の西六番に建設され、当時の中禅寺湖では、
大使館員を運ぶ水上飛行艇が旋回していましたが、
14年間続いた同クラブは第2次世界大戦の勃発(1939)とともに消滅したとあります。
「政策・社会の動きからみた日光地域の野外Rec.利用の変遷に関する研究(1931〜1950)」(下記リンク参照)
というサイト様にも中禅寺湖の水上機のことが触れられており、
「1931年には日光にアメリカからの観光団 1月300名 3-4月400名と来訪していた
同年6月22日付は国立公園の指定以前、中禅寺遊覧飛行として15式水上機定員2人乗りが7月1日~10月20日
まで、中禅寺湖に停泊していたと報じられる。(中略)1931(昭6)年6月中禅寺遊覧飛行が計画15式水上機を駐機、
定員2人乗で7月から10月20日までおかれたようだが事業主体目的などは不明である。」
とあります。
最後に『佐原市史』の中で、
「佐原の海野正造の企画により逓信省の許可をえて経営された日光中禅寺湖から奥日光遊覧の水上機」
について取り上げられていました。
中禅寺湖はかなり古い時期から水上機の運用があったんですね。
奥にスロープも見えます。
残念ながら場所が不明なんですが、水上機が飛んでいた頃は、VIPの利用もありましたから、
きちんとした施設があったかも。
6,300mx1,100m程の直線コースがとれ、広さは申し分ないんですが、問題はその標高。
中禅寺湖はナント1,271m!!
現在国内で最も高いのは松本空港の657.5mで、それでも運用制限がつきますから、
下駄ばき機での離水は相当厳しかったのではないかと。
栃木県・中禅寺湖水上機基地跡地
中禅寺湖水上機基地 データ
種 別:水上機用
所在地:栃木県日光市
座 標:N36°44′28″E139°27′33″
標 高:1,271m
滑走帯:6,300mx1,100m
(座標、標高、滑走帯長さはグーグルアースから)
沿革
1925年 東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部結成。大使館員を運ぶ水上機が運用される
1931年 7月1日~10月20日にかけ、遊覧飛行のため15式水上機停泊
1939年 東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部、大戦勃発と共に消滅
関連サイト:
フライフィッシング用語辞典■
政策・社会の動きからみ た 日光地域の野外Rec.利用の変遷に関する研究(1931〜1950)■
ブログ内関連記事■
この記事の資料:
佐原市史
中禅寺湖で水上機ですかぁ~
確かに標高が高いですよね~もう少し国内でも水上機が広まれば中禅寺湖での復活も・・なんて妄想しちゃいます。
by 青い森のヨッチン (2018-08-06 12:55)
■青い森のヨッチンさん
>もう少し国内でも
同感です。
せとうちSEAPLANESが元気なので、東日本で追従する会社が現れるといいんですが。。。
by とり (2018-08-07 20:30)