甘木生徒隊滑空場跡地 [├国内の空港、飛行場]
2016年5月訪問 2021/12更新
撮影年月日 1947/11/21(昭22)(USA M664-1 101)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)
福岡県朝倉市にあった「甘木生徒隊滑空場」。
元々ここは西約3.3kmにある「大刀洗飛行場」の防衛を担う高射砲第四聯隊のための施設だったのですが、
後に高射砲隊が外地に移駐したため、空いた施設は「甘木生徒隊」に使われることになりました。
全国から集められた2,000名の少年飛行兵は6か月間の地上教育の後、
大刀洗本校、京都、目達原、玉名、隈庄、黒石原、熊本、木脇、知覧、京城等の各分校で基本操縦を学び、
卒業すると実戦部隊に配属されることになったのでした。
というのが広くネットで「甘木生徒隊」に関して出ている情報です。
中には、「甘木生徒隊から分校に移り、いよいよ念願の操縦桿を握り~」という記述もあります。
「少年飛行兵の地上教育施設」ということで、実際の飛行や滑走路とは無縁ですから、
当ブログでは通常ご紹介しないはずなのですが、この施設に関して以前アギラさんから貴重な情報を頂いておりました。
「生徒隊(立石村一ツ木)には少年飛行兵が全国から集まり約2千人の生徒がいた。
グライダー操縦訓練を主として将来戦闘機乗りになるべき要員を教育していた。
そのため高射砲隊の敷地を南に拡張し長さ1000メートルに及ぶ滑走路が造られ
校舎や整備工場が県道甘木、田主丸線沿いに並んでいた。(中略)」
地上教育のみで実際の飛行訓練とは無縁の施設と思っていたのですが、
なんと滑走路が造られ、グライダー訓練が行われていたのです。
アギラさんは当施設の「配置図」もお持ちで、それには建物の並ぶ敷地の南側に「新滑空場」と記されています。
(この図は某サイト様でも閲覧可)
「長さ1000メートルに及ぶ滑走路が造られ」とあるのですが、航空写真に赤で描き込んだ通り、
施設建物を避け、対角線上にいっぱいにとって、やっと1,000m確保できます。
滑走路をいっぱいに使うとしたら、この方向だったはずです。
しかし大刀洗飛行場でも操縦訓練が行われていたのに、近隣に地上教育、滑空訓練用の施設を作ってしまうのですから、
大刀洗が如何に大規模な施設だったのか窺えますね。
赤マーカー地点。
撮影地点・1
青マーカー地点。
撮影地点・2
福岡県・甘木生徒隊滑空場跡地
設置管理者:陸軍
種 別:滑空場
所在地:福岡県朝倉市小田
座 標:N33°24′07″E130°40′04″
標 高:31m
滑走路:1,000m
方 位:07/25
(座標、標高、滑走路長さ、方位はグーグルアースから)
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