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MRJデリバリー前倒しなるか [├雑談]

2020年半ばのデリバリー開始に向け、現在は絶賛「社内飛行試験中」のMRJですが、

今後のデリバリー開始までの流れは、

社内飛行試験(今ここ)→型式証明試験(TCフライト)開始→型式証明取得→デリバリー開始

となっており、「型式証明試験」(以下TCフライト)では、

国土交通省のパイロットらが実際に実機を操縦して各種試験を実施します。

(国土交通省パイロットの完熟飛行は2017年8月に実施済)

これはMRJデリバリーのために残された最後にして最大の関門で、その試験は2,000時間にも及ぶとされています。

そしてこのTCフライトを早く始め、試験をスムーズに進めることができるかどうかが、

デリバリー開始時期を大きく左右します。


で、このTCフライトをいつから開始できるかなんですが、

FAA、JCAB(国土交通省航空局)ら当局からのTCフライト実施許可を得ないと始めることができません。

そしてここが問題なんですが、”これをクリアすればTCフライトを実施してよろしい”

という具体的なチェックリストは存在しません。

飽くまで全体の進捗を見たFAA様から「MRJはTCフライトを開始するレベルに達している」

と認めてもらわなければならないのです。

「この項目を全部クリアできたらTCフライト始めていいよ」というリスト的なものがあれば、

TCフライト開始まで、MRJが現在どの位置にいるのか、

ひいてはデリバリー時期もある程度予想がつきそうなんですが、なんだかふわっとしてますね。

ともかく三菱航空機としては、

「MRJはTCフライト開始できるレベルにあります」と当局に理解してもらえることを目指して頑張るしかありません。

ということで三菱航空は、ワシントン州モーゼスレイクのグラント・カウンティ国際空港に、

拠点となる「モーゼスレイク・フライトテスト・センター」を設けており、

同施設では2018年6月現在4機態勢で飛行試験を実施しています。

(1号機~4号機の4機に加え、今後7号機と10号機もここにフェリーされ、6機体制で試験飛行をする予定)

そして、一応三菱側としては10月以降にもTCフライトに入れるよう準備を進めているのだそうです。


三菱航空機の水谷社長は今年4月18日の会見の際、

「昨年来、お約束している初回納入スケジュールである2020年半ばを、ギリギリ守ることができるという認識で、作業に勤しんでいる。」

と話していました。

社長御自ら「ギリギリ守れる」と仰っていましたので、

(本当にスケジュールギリギリなんだなぁ。こっ、これは6度目の延期あるかも(´・ω・`) )

なんて思ってました。

ところがそれから約4ヵ月後の8月8日、開発責任者アレクサンダー・ベラミー氏は中日新聞の単独取材に対し、

「TCフライトを19年末までに終え、2~3カ月後には型式証明を取得できるだろう」と語りました。

もし本当にこの通りのスケジュールで順調に進んだら、デリバリー開始の時期が従来の「2020年半ば」から、

「2020年初め」に前倒しになる可能性があります。

MRJのデリバリー時期については、延期に次ぐ延期でしたから、これはちょっといいニュースですね。

三菱によりますと、社内飛行試験は順調に進んでいるとのことで、TCフライトも順調に進むといいのですが。。。

数年前から、そしてボーイングとエンブラエルの件があってからここ最近は特に、なんだかもうMRJはお先真っ暗。

という論調が多かったですけど、ともあれTCフライトまであと少し(かも)というところまで来たんですね。

順調にデリバリーまで進んでいって欲しいです。


ということで、次回からまた「アラスカ強化月間」デスヨ

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