佐賀県・伊万里農道離着陸場計画 [├場所]
(未訪問)

撮影年月日1991/11/21(平3)(KU912X C2 23)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)
佐賀県伊万里市にあった農道離着陸場計画について、Burunoさんから情報頂きました。
Burunoさんどうもありがとうございましたm(_ _)m
教えて頂いた「広報いまり(平成2年6月1日発行)」(詳しくはリンク先をご覧ください■)によれば、
「着工に向け取り組んでいます」
「(当該)丘陵地を最適地として選びました。」
「本年度から用地交渉に入る予定」
「平成5年開港予定」
とあり、地元農業協同組合長のインタビューも載っていて、
なし(豊水)を沖縄に空輸して手ごたえを掴んだ
空輸用農産物の開発に積極的に取り組みたい
空港ができたら最大限活用したい
等、非常に前向きなご意見でした。
このお立場の方からこのようなコメントが得られたからには、
もう確実に農道空港開港できるという雰囲気だったんじゃいなでしょうか。

広報に予想図があったのでレイヤを作って~

レイヤと実際の道路がかなりズレていますが、
広報(予想図)に「広域農道計画線」とある通り、この道路は予想図が作成された当時は存在しませんでした。
実際にリンク先で予想図をぐーっと拡大すると、
「広域農道計画線」と既存の道路とでは明らかに質感が違っていて、
これは航空写真に線を引いたんだなと分かります
(国土地理院で閲覧可能な直前1985年の写真にこの農道は存在せず■)。
なので、どんなにズレてても問題ありませんのだ。
幸い広報(予想図)には滑走路の両端(上の黄色矢印)部分に既存の道路がハッキリ映ってるので、
この両方の辻褄さえ合ってれば、滑走路位置は(かなり)正確に出せます。
ということで作図したのが先頭のグーグルマップです。
前述の通り、平成2年時点では「平成5年開港予定」だったのですが、
結局のところ伊万里市に農道空港は実現しませんでした。
そして空港予定地は現在「JA伊万里 園芸流通センター」になっています。
どういう経緯で農道空港がJAの関連施設になったのでしょうか??
グーグルアースで滑走路が計画されていた部分の標高を確認したのですが、
造成されている部分(JA伊万里 園芸流通センターと西隣にある太陽光発電?)は135m~138mなのに対し、
滑走路の西端は125m、そして滑走路の東部分は、造成箇所を外れると一気に落ち込み、約100mに。
135m~138mで標高が一定しているのは、長さにして450m程度。
これでは農道空港として機能しません。
こうした現状からすると、着工前に空港建設中止が決まったかもしれませんし、
農道空港として着工したものの、全体の造成をしないうちに途中で中止したのかも。
佐賀県・伊万里農道離着陸場計画
伊万里農道離着陸場(計画) データ
設置管理者:伊万里市
種 別:農道離着陸場
所在地:佐賀県伊万里市大坪町乙
座 標:33°16'51.2"N 129°54'45.5"E
標 高:135m
着陸帯:920mx60m
滑走路:800mx25m
方 位:14/32
(座標、標高、方位はグーグルアースから。滑走路長さは広報から)
沿革
1990年06月1日発行の広報いまりに計画掲載。1993年開港予定
長野県・岡谷防空監視哨跡 [├場所]
2023年2月訪問
監視哨跡は国道20号線から山道を上った先にあるのですが、
丁度国道の反対車線側に駐車場(グーグルマップ赤マーカー)があり、便利です。
陸橋(灰マーカー)渡ってすぐ下りず、そのまま先に進むと、
案内板があります。
ここからいよいよ監視哨跡に続く山道です。
桜沢方向に進みます。
「監視哨跡→」的な案内は見当たりませんでしたが、
監視哨に至る山道はストリートビューでバッチリ見ることができます。
1kmほど登った先に監視哨跡発見。
実は監視哨手前にも高くそびえる立派な無線中継所が凄く目立っていて、
現代の中継所と比べてしまうと、監視哨はかなり小さいです^^;
木々に覆われてしまってますが、当時はこの高さで十分視界が確保できたんでしょうね。
裏面に碑文がありました。
優良サイト様が多数あります。
野生動物にはくれぐれもご注意ください。
長野県・岡谷防空監視哨跡
岡谷防空監視哨 データ
所在地:長野県岡谷市半ノ木
座 標:36°04'49.0"N 138°01'23.3"E
標 高:1,130m
(座標、標高はグーグルアースから)
沿革
1939年 監視哨設立
1945年 終戦
1973年 記念碑建立
関連サイト:
ブログ内関連記事■
■ヒコーキ関係の場所・リスト■ [├場所]
(オイラがお邪魔した)ヒコーキにまつわる場所を北から順にまとめてみました。
北海道
祈りの塔■
上春別 RB29のプロペラ■
リンドバーグの壁画■
豊頃(MICとよころ)飛行場跡地■
計根別掩体壕■
能取水上基地跡地?■
あかびらスカイスポーツ振興センター専用空港■
たきかわスカイパーク■
新千歳空港国際線ターミナル■
新琴似四番通り■
京都合資会社■
月寒練兵場跡地■
国土交通省札幌航空交通管制部■
千歳市空港公園■
北海道・帯広第一飛行場掩体壕■
北海道・苫小牧ドローン飛行場■
東 北
青森県・みちのく北方漁船博物館■
青森県・青森県立三沢航空科学館■
青森県・浜子海岸■
青森県・夜越山原野■
青森県・弘前練兵場跡地■
秋田県・象潟海岸■
岩手県・慰霊の森■
岩手県・燕航空部隊発祥地碑■
岩手県・岩手県立一関第一高校■
岩手県・花巻防空監視哨跡地■
岩手県・北上平和記念展示館■
山形県・楯山防空監視哨跡■
山形県・城南練兵場跡地■
山形県・米沢飛行場(計画?)■
宮城県・石巻防空監視隊第四監視哨跡■
福島県・会津塩川バルーンフェスタ■
福島県・ウルトラマン空港■
福島県・千咲原飛行場候補地■
福島県・郡山歴史資料館■
福島県・野沢秘匿飛行場候補地■
福島県・千咲原飛行場候補地■
福島県・浪江航空基地(候補地)■
福島県・南相馬滑走路(福島ロボットテストフィールド内)■
福島県・浪江町滑走路(福島ロボットテストフィールド内)■
福島県・勿来風船爆弾打ち上げ基地跡■
関 東
栃木県・男鹿高原駅前広場緊急ヘリポート■
栃木県・栃木国際ハブ空港(構想)■
栃木県・ツインリンクもてぎ■
栃木県・烏山防空監視哨跡■
栃木県・栃木国際ハブ空港(構想)■
栃木県・金丸原飛行場掩体壕■
栃木県・東武今市飛行場(計画)■
栃木県・口粟野防空監視哨跡■
栃木県・JUIDA・那須塩原試験飛行場■
茨城県・つくばヘリポート■
茨城県・霞ヶ浦海軍航空隊の遺跡■
茨城県・県立水戸工高/練兵場■
茨城県・JUIDA・GOKOつくば試験飛行場■
茨城県・大津風船爆弾打ち上げ基地跡■
茨城県・水戸つばさの塔■
茨城県・歩兵第二連隊練兵場跡地■
千葉県・銚子ボルタック■
千葉県・さくらの山公園■
千葉県・航空科学博物館■
千葉県・船橋無線塔記念碑■
千葉県・山縣飛行士殉空の地碑■
千葉県・大慶園ヘリポート■
千葉県・稲毛民間航空記念館■
千葉県・下滝田基地跡地■
千葉県・館山海軍航空隊宮城掩体壕■
千葉県・館山海軍航空隊香掩体壕■
千葉県・赤山地下壕跡■
千葉県・千葉県立佐倉高等学校■
千葉県・御宿VORTAC■
千葉県・鳥居崎埋立地■
千葉県・千葉県立千葉中学校・高等学校■
千葉県・松戸駐屯地のC-1■
千葉県・県営千葉県魚群探見飛行場跡地■
千葉県・習志野演習場の不時着場跡地■
千葉県・根形(第二木更津)飛行場候補地■
千葉県・香取航空基地周辺の掩体壕■
千葉県・東葛飾高等学校■
千葉県・旧陸軍気球聯隊第二格納庫跡■
千葉県・亜細亜航空学校水上班建設予定地■
千葉県・風船爆弾打ち上げ基地跡■
千葉県・特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡■
群馬県・群馬ヘリポート■
群馬県・高崎ヘリポート■
群馬県・向井千秋記念子ども科学館■
群馬県・邑楽町 B29墜落地点■
群馬県・御巣鷹の尾根■■
群馬県・東村花輪防空監視哨跡■
群馬県・長野原防空監視哨跡■
群馬県・新田荘歴史資料館■
群馬県・伊勢崎市の防空監視哨跡■
群馬県・中島新邸■■
群馬県・尾島RCスカイポート■
群馬県・西小泉駅周辺■
群馬県・熊谷線の橋脚■
埼玉県・熊谷の防空監視哨跡地■
埼玉県・妻沼駅跡以南■
埼玉県・東武熊谷線物語・1,2■■
埼玉県・吉見百穴地下軍需工場跡■
埼玉県・川島ヘリポート■
埼玉県・桶川飛行学校跡地■
埼玉県・東武東上線物語・1~3■■■
埼玉県・国土交通省 坂戸航空無線通信所■
埼玉県・土屋公園の碑■
埼玉県・三澤建設ヘリポート■
埼玉県・所沢航空記念公園■
埼玉県・越谷防災基地■
埼玉県・秋ヶ瀬ヘリポート■
埼玉県・陸上自衛隊朝霞訓練場の観閲道■
埼玉県・JUIDA・大宮試験飛行場■
埼玉県・風船爆弾工場跡■
東京都・東京ヘリポート■
東京都・東京大空襲・戦災資料センター■
東京都・東京シティエアターミナル■
東京都・旧陸軍調布飛行場白糸台掩体壕■
東京都・旧日立航空機株式会社立川工場変電所■
東京都・成増陸軍飛行場の掩体壕■
東京都・京浜島つばさ公園■■■■
東京都・三宅村ヘリポート■
東京都・第二/三八丈島航空基地候補地■
東京都・第四八丈島航空基地候補地■
東京都・東京市飛行場(計画)■
東京都・母島海軍航空基地(計画)■
東京都・青山練兵場跡地■
東京都・戸山が原練兵場跡地■
東京都・国産飛行機発祥の地■
東京都・八幡山滑空場(予定地)■
神奈川県・野島掩体壕■
神奈川県・厚木飛行場臨時滑走路跡■
神奈川県・県立商工実習学校■
神奈川県・船越の防空監視哨跡■
神奈川県・磯子町の市電埋立地■
神奈川県・青根防空監視哨跡■
中 部
新潟県・阿賀野川河口付近■■
新潟県・新潟県立柏崎高等学校■
新潟県・山本五十六記念館■
新潟県・高田公園■
新潟県・新潟市海岸線、新潟市學校町濱滑空場跡地■
新潟県・深才航空基地跡地(推定位置)■
新潟県・笹岡航空基地(推定)■
新潟県・英国機着陸記念塔■
長野県・大町防空監視哨跡■
長野県・陸軍松本飛行場跡地■
長野県・富草防空監視哨跡■
長野県・飯沼飛行士記念館■
長野県・上田市 松脂採取痕跡松■
長野県・上田市 仁古田飛行機製造地下工場跡■
長野県・下諏訪町赤砂崎公園防災ヘリポート■
長野県・東長倉小学校跡地■
長野県・聖博物館(航空博物館)■■
長野県・佐久市中央図書館■
長野県・軽井沢ゴルフ倶楽部■
長野県・岡谷防空監視哨跡■
山梨県・大月防空監視哨跡■
静岡県・中島飛行機三島製作所跡地■
静岡県・静岡ヘリポート■
静岡県・エアーパーク 航空自衛隊 浜松広報館■
静岡県・一色海岸■
静岡県・静岡県立磐田南高校■
静岡県・中島飛行機原谷地下工場跡地■
静岡県・三方原飛行場の掩体壕■
静岡県・JUIDA・富士箱根ランド試験飛行場跡地■
富山県・富山県立高岡工芸高等学校■
石川県・航空プラザ■
石川県・石川県立大聖寺高校■
石川県・粟ヶ崎砂丘■
石川県・東善作氏誕生之地碑■
石川県・松波飛行場跡地■
福井県・鯖江不時着場跡地■
福井県・敦賀練兵場跡地■
岐阜県・道の駅クレール平田のヘリポート■
岐阜県・ かかみがはら航空宇宙博物館■
愛知県・航空館boon■
愛知県・エアポートウオーク■
愛知県・名古屋城北練兵場着陸場跡地■
愛知県・伊良湖附近不時着場跡地■
愛知県・フライト・オブ・ドリームズ■
関 西
滋賀県・比叡山桜花特攻基地跡地■
滋賀県・虎姫高校■
滋賀県・野洲川滑空場計画地■
滋賀県・滋賀県平和祈念館■
滋賀県・柏木航空基地(未着工・推定位置)■
京都府・舞鶴の防空監視哨跡■
京都府・二十連隊練兵場跡地■
京都府・JUIDA・ATR けいはんな試験飛行場■
奈良県・奈良県立畝傍高等学校■
奈良県・美吉野運動場跡地■
和歌山県・和歌山県立星林高等学校■
和歌山県・和歌山陸軍練兵場跡地■
和歌山県・和歌山県立桐蔭高校■
和歌山県・和歌山県立向陽高校■
和歌山県・紀南ヘリポート■
和歌山県・王子ヶ浜■
大阪府・大正飛行場掩体壕■
大阪府・桃山学院中学校・高等学校■
大阪府・大阪府立住吉高等学校■
大阪府・府立生野高等学校跡地■
大阪府・津守神社南方地区■
大阪府・大阪府立高津高等学校■
大阪府・常翔学園高等学校、中学校■
大阪府・池田市立池田中学校■
大阪府・大阪府立鳳高等学校■
大阪府・陸軍航空廠跡地■
大阪府・藤井寺の無蓋掩体壕群跡地■
兵庫県・千里川土手■
兵庫県・神戸高等工業学校跡地■
兵庫県・西武庫公園■
兵庫県・尼崎北高等学校■
兵庫県・甲南大学岡本キャンパス■
兵庫県・城北練兵場跡地■
中 国
鳥取県・酒井片桐飛行殉難碑■
鳥取県・美保基地掩体壕■
鳥取県・皆生海岸臨時飛行場跡地■
鳥取県・美保飛行場の掩体壕その2■
鳥取県・鳥取県立博物館■
岡山県・廃川地■
広島県・甲山防空監視硝跡地■
広島県・豊栄飛行場■
広島県・広島ヘリポート■■
広島県・広島県立尾道北高等学校■
島根県・大峯山偽装飛行場跡地■
山口県・岩国錦帯橋空港■
山口県・大平山■
山口県・山口宇部空港「ふれあい公園」■
山口県・関門医療センターヘリポート■
山口県・防石鉄道新橋停車場予定地■
山口県・菊ヶ浜海岸■
山口県・山口駐屯地訓練場■
山口県・藤曲の飛行場(計画)■
四 国
香川県・さぬきこどもの国■
香川県・二宮忠八飛行館■
高知県・高知空港周辺の掩体壕■
高知県・日章飛行場の防空監視哨跡■
愛媛県・松山空港周辺の掩体壕■■■
愛媛県・海軍呉警備隊由利島聴測照射所指揮所跡■
徳島県・徳島空港■
徳島県・民間航空発祥の地碑■
九 州
福岡県・新行橋病院ヘリポート■
福岡県・小倉北区魚町の防空監視哨■
福岡県・旧小倉陸軍造兵廠の防空監視哨■
福岡県・航空交通管理センター、福岡航空交通管制部■
福岡県・大刀洗飛行場の掩体壕■
福岡県・大刀洗平和祈念館■
福岡県・大牟田市役所の防空監視硝■
福岡県・久留米練兵場着陸場跡地■
福岡県・福岡県立福岡高校■
佐賀県・海軍飛行場候補地 仮屋湾■
佐賀県・佐志海岸■
佐賀県・西ノ浜■
佐賀県・陸軍唐津飛行場候補地(大土井)■
佐賀県・松浦川岸■
佐賀県・虹の松原■
佐賀県・ジャピー氏遭難碑■
佐賀県・佐賀インターナショナルバルーンフェスタ■
佐賀県・佐賀空港のYS-11■
佐賀県・伊万里農道離着陸場計画■
長崎県・川棚防空監視哨跡■
長崎県・長崎空港A滑走路地区(大村航空基地)■
熊本県・熊本渡鹿練兵場不時着場跡地■
熊本県・熊本帯山練兵場不時着場跡地■
熊本県・熊本渡鹿練兵場不時着場跡地■
熊本県・熊本帯山練兵場不時着場跡地■
大分県・佐伯海軍航空隊の掩体壕■
大分県・宇佐市平和資料館■
大分県・大神回天基地跡地(水上機)■
大分県・大分練兵場不時着場跡地■
宮崎県・・都城東飛行場跡地■
宮崎県・唐瀬原飛行場の滑走路跡地■
宮崎県・宮崎空港の周辺探索■
宮崎県・茶屋平特攻基地予定地■
鹿児島県・ 知覧特攻平和会館■
鹿児島県・鹿屋航空基地資料館■
鹿児島県・出水飛行場の掩体壕■
鹿児島県・笠野原飛行場の川東掩体壕■
鹿児島県・伊敷練兵場跡地■
鹿児島県・ニシムタ スカイマーケット鴨池店■
鹿児島県・枕崎ヘリポート■
沖 縄
沖縄県・伊平屋ヘリポート■
沖縄県・伊平屋空港予定地■
沖縄県・本部監視哨跡■
沖縄県・辺野古V字滑走路建設予定地■
沖縄県・瀬長島■■
沖縄県・那覇空港国際線ターミナル■
沖縄県・糸満防空監視哨跡■
埼玉県・風船爆弾工場跡 [├場所]
2022年3月訪問

撮影年月日1947/02/08(昭22)(USA M28 113)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)
埼玉県越生(おごせ)町にあった「風船爆弾工場」。
県道30号飯能寄居線からちょっと入った所にありました。
明治大学平和教育登戸研究所資料館(下記リンク参照)に、詳しい資料がありました。
「仕様書 工程表等準備ノート」に風船爆弾製造に至る協力関係が記されていて、
東京方面では、以下「在東協力工場」が並んでいます。
東京人□□草及芋蒟蒻組合
福島縣東北地方(蒟蒻組合)
栃木縣手漉紙(烏山)
長野縣御子柴基地
石川縣手漉工組合
(長野以外は)「蒟蒻」、「手漉」とあります。
元々こうしたものを生産している地域が風船爆弾用の和紙、蒟蒻(糊?)の製造協力工場とされたようですね。
そして、これら協力工場から一旦「田端化工紙工場」に集約され、
それから日比谷第一、日比谷第二、越生の三ヶ所へ送られ、「完成」と記されています。
日比谷第一と第二で一日十二球、越生は一日二球とも記されており、
「ここから越生は東京方面の主要な風船爆弾製造工場だったことがうかがえる。」
とありました。
ちょっと脱線しますが、同じ埼玉県には1,300年の歴史を有する「小川和紙」の産地小川町があり、
地元ではこの小川和紙も風船爆弾の開発段階から深いかかわりをもっていたとされています。
この「小川和紙」の産地は、越生の工場跡から北僅か約10kmにあるため、
オイラはこれまで「越生の風船爆弾工場」とは、
和紙産地である小川町で製造された和紙を切ったり貼ったりする程度だと思っていたんですが、
上述の資料には、越生は「主要な風船爆弾製造工場」とあります。
風船爆弾は偏西風に乗せて米国に飛ばすのですが、偏西風が強いのは冬季に限られるため、
昭和20年4月をもって放球は中止となりました。
ところが同サイト様によれば、
大津基地の倉庫にはまだ多量の風船爆弾が残っていたこと、
特に小川町では風船爆弾用和紙「生紙(きがみ)」用の原料である楮が昭和20年4月、5月も配給されていること、
登戸研究所庶務将校の大尉が昭和20年8月2日に越生に向おうとしたとする日誌が残されていること等から、
8月で終戦とならなければ風船爆弾の放球は同年秋から再開されていた可能性があったとしています。

町営住宅の一角にある碑と銘板。
碑:「フーセン爆弾工場跡 乾繭所の広間が昭和二十年風船爆弾工場となり、和紙の巨大風船を製造。」

「乾繭所」
昭和12年(1937)の「支那事変」勃発後、軍需工場として戦地向けの乾燥野菜の製造も行われていた。
戦後は稚繭共同飼育所になり、昭和25年には学校組合立埼玉県坂戸高等学校越生分校が置かれた。昭和28
年に埼玉県立飯能高等学校越生分校となり、昭和45年まで校舎として使用されていた。
風船爆弾工場
風船爆弾(気球爆弾)は、太平洋戦争中に日本陸軍が「ふ号兵器」の名称で密かに開発した兵器である。水素を充填した気球に爆弾を搭載し、ジェット気流に乗せてアメリカ本土を空爆するもので、昭和十九年(一九四四)に実用化された。翌春までに九千三百発が福島県、茨城県、千葉県の海岸から放たれ、太平洋を横断して推定約千発が到達した。
十五キロ爆弾一発と五キロ焼夷弾二発を吊るす直径十メートルの気球は、和紙を蒟蒻糊で貼り合わせて作られた。楮を原料とする薄くて丈夫な細川紙から「気球紙」が開発され、産地の小川町、東秩父村とその周辺で生産が始まり、全国の和紙生産地に拡大された。
越生町でも生繭の共同乾燥施設である乾繭所の施設を利用して、兵器製造会社の中外化工品(ちゅうがいかこうひん)越生作業所が製造に当っていた。
平成二十七年三月 越生町教育委員会
埼玉県・風船爆弾工場跡
埼玉県・風船爆弾工場跡 データ
所在地:埼玉県入間郡越生町黒岩68
沿革
1945年 乾繭所の広間が風船爆弾工場となる
関連サイト:
越生町/風船爆弾工場跡■
明治大学平和教育登戸研究所資料館■
ブログ内関連記事■■■
千葉県・特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡 [├場所]
2021年6月、2022年2月訪問
千葉県いすみ市行川にあった「桜花四三乙型」行川基地。
中川小学校正門前を道なりに進んでいくと、
説明版の前に出ます。

説明版(全文)
いすみ市指定史跡
特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡
平成十六年三月二十三日指定
航空特攻兵器として有名な「桜花」の基地がこの地に建設され、現在、格納庫用の洞窟と旋回盤跡が残っています。
「桜花」はまず、一式陸上攻撃機の胴体下に吊るして目標付近まで曳航させ、滑空もしくはジェットエンジンで敵艦船に体当たりするグライダー型の「一一型」及び「二二型」が開発されました。
しかし、本土決戦の意識が高まってくると、近海に押し寄せるアメリカ艦船に対して、本土から直接発進させ激突させようとする計画が持ち上がりました。
この計画によって開発されたのが、頭部に八〇〇キロ爆弾を搭載した、単葉タービンロケット推進の脚なし単座特攻機「桜花四三乙型」です。
これは、山間部から海上に向けて射出するために、非常に高い初速が求められ、そのための高性能のカタパルトの開発は昭和二十年二月、「桜花四三乙型」本体の開発は三月から始まりました。
五月には横須賀鎮守府が、桜花四三乙型噴進射出装置基地施設構築を命じました。
基地候補地のうち八月末に使用可能を目標として工事に着手したのは伊豆半島の十国峠および竹ノ沢、筑波の五輪堂および閉居山、房総半島南部の上滝田および下滝田(南房総市)、房総半島東部では黒原(大多喜町)およびこの行川の八か所でした。
『中川小学校沿革史』によると、基地は七月二十六日に滑走路が完成したとありますが、それ以降も勤労奉仕が続いたとあるので、工事はまだ続いていたようです。
しかし、八月十五日の終戦までに、「桜花」が基地に届くことはなく、その役目を果たすことはありませんでした。
【格納庫の寸法】
奥行 三十六・五m
高さ 五・二m
幅 四・五五
旋回盤の直径 三m
基地跡はこの奥約60mの場所にあります。
※崩落の危険があるので、格納庫内部には立ち入らないで下さい。
いすみ市教育委員会

旋回盤跡。
マムシが怖くて、半年後寒くなってから改めてお邪魔しました。
現在周囲はうっそうと茂っており、オイラのカメラだとこんな一部分しか撮れませんでした。
日の出から30分経過しているんですが、まだフラッシュ焚かないと真っ暗でした。
補正かければなんとかなるさ。と思っていたんですが…

写真だと伝わらないですけど、「高さ5.2m」とある通りかなり巨大です。

説明版に「立ち入らないで下さい」とあったので、入り口から。
千葉県・特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡
特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡 データ
設置管理者:横須賀鎮守府?
種 別:桜花用射出滑走路
所在地:千葉県いすみ市行川
座 標:35°17'05.7"N 140°16'45.6"E
標 高:52m
(座標、標高はグーグルアースから)
沿革(案内板から)
1945年02月 カタパルト開発開始
03月 「桜花四三乙型」開発開始
05月 横須賀鎮守府、桜花四三乙型噴進射出装置基地施設構築を命じる
07月 26日 滑走路完成するも桜花届かず
08月 15日 終戦
2004年03月 23日 いすみ市指定史跡指定
関連サイト:
ブログ内関連記事■
この記事の資料:
現地の案内板