坂東飛行場跡地 [├国内の空港、飛行場]
2018年6月訪問 2022/1更新
測量年1934(50000 75-15-21 髙﨑)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成。2枚とも)
群馬県玉村町にあった「坂東飛行場」。
「伊勢崎場外離着陸場」の南南東約2.2kmに位置しています。
群馬県立図書館に問い合わせをしたところ、
『玉村町誌 通史編 下巻一』玉村町/1995 「幻となった坂東飛行場」p597~598
に当飛行場についての記述があるとご回答頂きました。
以下、一部抜粋させて頂きます。
「・・・群馬県にも県営の飛行場建設の気運が起り、当時の諸条件から沼之上(現在の五料)の東端で、利根川向うの河川敷と、同様に沼之上南端の烏川の河川敷が、飛行場用地として選定されたようである。・・・
芝根村役場の日記に、わずかではあるが飛行場建設の記事がある。
昭和九年八月 起工式
同年九月 飛行場の整地用ローラー一台が運搬
同年十月 第二期工事として飛行場が拡張されることになり、同工事に村民が労力奉仕することが、村の会議で決定
会議の決定にもとづいて村民110人が労力奉仕
・・・残念ながら河川敷であったため洪水の心配や飛行機の大型化などの悪条件が重複した結果、いつしか発展することなく放置され、県営であったといわれる坂東飛行場に関する文書も、放棄されて県には何も残されず、まさに坂東飛行場は幻の空港として終ったのである。」
せっかく作ったんですが、短命に終わってしまったんですね。
「玉村町誌」にある位置特定につながる有力情報のみ抜き出してみます。
「沼之上の東端で、利根川向うの河川敷」、「同様に沼之上南端の烏川の河川敷」
とあります。
二か所が飛行場用地として選定されたんですね。
上の地図は、昭和9年測量なので、まさに飛行場の工事があった年のものです。
利根川と烏川の合流地点に「沼之上」という地名が見えます。
それで恐らくこの部分の東側と南側が飛行場として選定されたのではないかと。
「目で見る 桐生・伊勢崎・みどりの100年」の中でも当飛行場に触れられており(下記リンク参照)、
「坂東飛行場(玉村町・昭和10年)沼之上にある利根川と烏川の河川敷が飛行場用地として選定され、坂東飛行場がつくられた。しかし洪水の心配や飛行機の大型化もあり、この飛行場は短命に終わった。」
とありました。
赤マーカー地点。
周辺は現在こんな感じ。
群馬県・坂東飛行場跡地
坂東飛行場 データ
設置管理者:群馬県
種 別:飛行場
所在地:群馬県玉村町五料
座 標:N36°16′47″E139°09′54″
標 高:56m
着陸帯:900mx500m?
(座標、標高、滑走路長さはグーグルアースから)
沿革
1934年08月 起工式
09月 飛行場の整地用ローラー一台が運搬
10月 10日、第二期工事として飛行場拡張。村民110人が労力奉仕
関連サイト:
「目で見る 桐生・伊勢崎・みどりの100年」■
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この記事の資料:
『玉村町誌 通史編 下巻一』玉村町/1995 「幻となった坂東飛行場」p597~598
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