台湾・宜蘭(南)飛行場跡地 [└日本統治時代の飛行場]
(未訪問)
台湾北部、太平洋側に位置する宜蘭(ぎらん)県。
与那国島から最も近く、南部山岳地帯は2,000mを優に超えるため、
多分与那国から肉眼で見えているのはこの辺りではないかと。
宜蘭には、北、南、西と、3つの宜蘭飛行場がありました。
先頭のグーグルマップは、U.S. Army Map Service,/Giran から作図しました(下記リンク参照)。
青マーカーの辺りから北東に延びているのが、最も古い「宜蘭(北)飛行場」。
その南東側にあるのが、V字滑走路の「宜蘭(南)飛行場」。
西側にちょっと離れているのが「宜蘭(西)飛行場」です。
この記事ではV字滑走路の「宜蘭(南)飛行場」について取り上げます。
■太平洋戰爭下日本陸軍於高雄地區的機場整備與航空隊部署(下記リンク参照)にはこうありました。
鳳山、宜蘭、小港、八塊等、日本では珍しいV字形が採用されたのは、
周囲に拡張可能な土地が不足していたためでした。
飛行場敷地は、近くの地形、集落、鉄道、道路、川、谷の障害物によって制限を受けます。
■「盟軍記載的二戰臺灣機場」(下記リンク参照)によれば、
当飛行場は連合軍によりMAD(Medium Bomber Airfield:中爆撃機飛行場)に分類されていました。
有蓋掩体壕、もしくはその地割が(オイラが数えた範囲で)9ヶ所現存しています。
特にその中の1つは「員山機堡」として整備され、記念館も併設しています(青マーカー)。
先頭のグーグルマップをご覧いただきますと、誘導路がそのまま現在まで道路として残っている部分が多いですね。
また誘導路に沿ってウサギの耳がたくさんあります。
これはU.S. Army Map Service,/Giran の描き方を見ると、駐機場ではなく無蓋掩体壕だと思うのですが、
(オイラが見た範囲では)1か所だけ、この地割が残っています(赤マーカー地点)。
現地で見てみたい~。
元々飛行場だった部分、滑走地区がかなり拡張され、西側が鋭く斜めになってますが、
これは作図の参考にしたU.S. Army Map Service,/Giran が見切れているせいです。
在台日本人向けTAIPEInavi/特攻隊飛行跡地(宜蘭市)というサイト様によれば、
宜蘭市内には南北、そして西にも軍用飛行場が建設され、民間機は北飛行場に限られていたこと、
南飛行場は1941年に建設されたこと等記されていました。
また「宜蘭飛行場」で画像検索すると、南飛行場の2本の滑走路が東側で結合してV字型になっている
ものが多数出てきます。
U.S. Army Map Service,/Giran では、南飛行場の北側の滑走路について、
「1944年10月工事中」と記されており、この後工事が続いて結合してのではないかと。
台湾・宜蘭(南)飛行場跡地
宜蘭(南)飛行場 データ
設置管理者:日本陸軍
種 別:陸上飛行場
所在地:台湾宜蘭県宜蘭市建業里
座 標:24°43'56.4"N 121°45'00.5"E
標 高:7m
滑走路:1,700mx200m(09/27)、1,600mx70m(05/22)
(座標、標高、滑走路長さ、方位はグーグルアースから)
沿革
1941年 南飛行場建設
1945年08月 終戦
関連サイト:
盟軍記載的二戰臺灣機場(21コマ)■
U.S. Army Map Service,/Giran■
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