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千葉県・大日本飛行協会航空機訓練所松戸飛行場跡地 [├国内の空港、飛行場]

   2021年6月訪問  



無題8.png
撮影年月日1936/06/11(B56 C3 28) 
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)


千葉県松戸市にあった「大日本飛行協会航空機訓練所松戸飛行場」。

「松戸飛行場」といえば、松戸市の松飛台にあった逓信省航空局(後に陸軍)の飛行場 が圧倒的に有名ですが、

これとは別の飛行場です。

■「21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」

の中でこの飛行場について、以下の通り記されていました。

「松戸市史」によると、1936年(昭和11年)大日本飛行協会の 航空機訓練所松戸飛行場が、江戸川河畔に創設された。面積は約224,400㎡で、帝国飛行協会がこれを管理した。もっぱら大日本飛行機少年団のグライダー練習場として、利用された。

逓信省の「松戸飛行場」が昭和15年、現在の松飛台に建設されたのに対し、

こちらは大日本飛行協会の「松戸飛行場」で、昭和11年「江戸川河畔に創設」とあります。

パイセンですね。

ドコにあったのか位置を知る手がかりとして、「江戸川河畔」としか記されていないのですが、

松戸市史に登場する「松戸飛行場」ですから、「松戸市内の江戸川河畔」のはず。

江戸川は松戸市の西側の市境になっており、おおよそですが10km程の長さがあります。

それで江戸川河畔の松戸市側、松戸市境となる長さ約10kmのどこかにあったはずです。


いろいろ検索してみても、当飛行場についての具体的な地図等見つけられなかったのですが、

某サイト様に位置を特定する手掛かりがありました。

(実はこのサイト様を閲覧したのは数年前のことで、

記事をアップするタイミングで管理人様にご挨拶とリンク許可を請おうと思っていたのですが、

リンク切れになっていて、ご挨拶もできていないため、名称は伏せさせていただきます。

サイト管理人様、もしご覧になっておられましたら、ご一報いただければ幸いですm(_ _)m )

このサイト様では当飛行場について、

「昭和11年(1936年)8月創立にして松戸町、上矢切、中矢切、下矢切の地先江戸川畔にあり、地積6万8千坪帝国飛行協会の管理に属し、大日本飛行少年団のグライダー練習所なり」

と記されていました(松戸市は昭和18年3月末までは松戸でした)。

「上矢切、中矢切、下矢切の地先江戸川畔」とあります。

この「上矢切」、「中矢切」、「下矢切」を先頭のグーグルマップに青マーカーで示してあります。

上中下、これら三矢切の「地先江戸川畔」は長さ約1,600m程度なので、これでかなり絞り込めました。

因みに有名な「矢切の渡し」は、ここ矢切と対岸の葛飾柴又との渡し舟でした(今でも渡してます)。


開設年について、

「戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」では1936年、こちらのサイト様では1936年8月とあります。

上に貼った航空写真は1936年6月11日撮影のものなので、

開設2ヵ月前ということになり、タイミングバッチリです。

航空写真をご覧の通りで、矢切地区北側に鉄橋があり、常磐線が江戸川を渡ってます。

常磐線鉄橋の向こうまで飛行場にするとは考えられませんから、鉄橋が飛行場の北限。

どちらの資料も「河畔」とあり、ハッキリ「河川敷」とは書いていないのですが、

航空写真を見る限り、河川敷の外側は田畑が整備されていることから、

やはり普通に河川敷を飛行場としていたのではないかと。


「上矢切、中矢切、下矢切の地先江戸川畔」に相当する範囲内の河川敷部分の幅は、

155m~220m程度で非常に細長いんですが、途中で極端に狭くなったり曲がったりしておらず、

飛行場として申し分ないように見えます。

面積について、

「戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」では約224,400㎡、こちらのサイト様では6万8千坪とあります。

これはそれぞれ、22.44haと22.48haに相当します。

上に貼った航空写真から当時の河川敷の形を作図したのが先頭のグーグルマップで、

常磐線を飛行場北端とし、当時の河川敷の形でピッタリ22.4haになるまで飛行場の境界線を南下させました。

こんな感じだったとすると、長さは約1,500mとなります。

多分こんな感じの飛行場だったんじゃないかと。


DSC_0005_00001.jpg


赤マーカー地点

新葛飾橋から。

当時はこの辺りから奥に向って飛行場だったと思うのですが。。。




     千葉県・大日本飛行協会航空機訓練所松戸飛行場跡地        
大日本飛行協会航空機訓練所松戸飛行場 データ
設置管理者:大日本飛行協会
種 別:グライダー練習場
所在地:千葉県松戸市上矢切、中矢切、下矢切地先江戸川畔左岸側
座 標:35°45'45.5"N 139°53'01.8"E
標 高:3m
滑走路:1,500mx155m~220m
方 位:16/34
(座標、標高、滑走路長さ、方位はグーグルアースから)

沿革
1936年8月 開設

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この記事の資料:
「21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ」 


コメント(2) 
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コメント 2

an-kazu

矢切の渡し・・・柴又側に歌碑がありますね!
(松戸側にも何かあるのかな?)

松戸矢切高校は部活でライバル校でした
・・・検索してみたら閉校してた_| ̄|○ il||li
by an-kazu (2022-12-05 21:30) 

とり

■an-kazuさん
おお、歌碑があるのですか!
柴又側にあるんだったら、矢切側にもあって欲しいですね。
an-kazuさんて、確かアーチャーでしたよね?
かつてのライバル校が無くなってましたか…
by とり (2022-12-06 06:58) 

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