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各務原飛行第二連隊飛行場(各務原東飛行場)跡地 [├国内の空港、飛行場]

   2016年6月訪問 2022/4更新  


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Translation No. 29, 20 February 1945, Airways data: Chubu Chiho. Report No. 3-d(27), USSBS Index Section 6 (国立国会図書館ウェブサイトから転載。上2枚とも)


岐阜県各務原市にあった「各務原飛行第二連隊飛行場(各務原東飛行場)」。

グーグルマップをご覧の通りで、現在の各務原飛行場のすぐ東側に位置していました。

先頭のグーグルマップ、西側の薄黄色のシェイプは上に貼った地図(1934年頃のもの)から作図しました。

■防衛研究所収蔵資料「飛行場記録(内地の一部) 陸空-本土周辺-110」に「東飛行場要図」があり、

これは1941年頃のものではないかと思うのですが、この要図の地図も重ねてみました。

西側に拡張したんですね。

同資料に「各務原東飛行場記録」がありました。

以下引用させて頂きます。

判決 自重一五屯以下の飛行機の使用に適す
飛行地区
滑走地区 一,〇〇〇x一〇〇米コメ張芝転圧
舗装路 なし
土質 粘土質土砂交り
地表面の状況 表面張芝にして地耐力可なり
周辺の障碍物の有無 なし

付属地区
誘導路 なし
宿営 (木造兵舎)←二重線で消され、横に「なし」と訂正
夜間着陸設備 なし
動力線 なし
電灯線 なし
給水 なし

其他
風向 西風

 


■防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」

に 1/25,000 各務原東飛行場があり、上のグーグルマップはここから作図しました。

特に西側は地割がハッキリ残っていない部分が多く、かなり主観で線を引いていますが、

地図に書き込まれた長さの数字にきキチンと従っています。

恐らくこんな感じではないかと。

位置
 岐阜縣稲葉郡鵜沼村□幅新内七七一番地の内及各務原岩
 出巾下地内
積量
 五四九四二一坪
地表の状況
 昭和十六年度拡張地域は地盤未だ固定せず雨後は相当の水溜りを
 生じ排水不良と共に地盤軟弱にして大型機の使用に適せず
 尚西北隅共に地盤軟弱排水不良にして使用不能にあり
周囲の状況
 東南方□四〇〇米に比高一七三米及北方一四〇〇米に比高一七〇米の高地あ
 る外周囲闊にして障害物なきも当飛行場西方には各務原航空
 廠のため中飛行場並中一三三部隊のため西飛行場隣接しありて空域に
 於ては相当の制限あり
将来拡張の能否
 東方に現在の飛行場幅(九〇〇米)長さ約一〇〇〇米拡張可能地域あり 何れも土
 地平坦にして大なる工事を要せず 尚北方には所属地帯として利用し得べき
 巾三〇〇長二〇〇〇米の地域あり 但国民学校一及民家約五軒の移転を要す
 現況要図に視る如く当校改変の為南方地区に於て一五〇米の付属地
 帯線を飛行場内に接地するの止むなきと西北方に於て飛行場としての使
 用地域を有せざるを以て将来是非之が拡張を要するものと認む
天候気象の交感
 当地の経緯度及地勢上より所謂温帯多雨気候にして一年を
 通じ温和にして多湿雨量比較的多し 即ち年平均気温一三、七
 度なり 主風は西及北西なるも夏季の南寄りの風弱し
格納施設
 現在格納庫十一棟あるも当校学生々徒の増加と当校の性質に鑑
 み将来を明察する時之が施設は増加の一途あるを予想す
飛行機掩体
 現在なきも将来を計画しあり
居住施設
 現在約二五〇名の収容及工員収容所にて約三〇〇名の収容施設を
 有しあるも当校改変に伴ひ本年度内に於て約一〇〇〇名、来年
 度に於て約一〇〇〇名の居住施設を実施せらるヽ予定
交通連絡の状況
 岐阜市より国鉄高山線及名古屋電鉄あり 道路は中仙道なる
 も未だ舗装道に至らず 自動車の運航には稍不便なる感あり
 将来是が舗装を是非必要とす尚当校は僻地にありて何等
 交通の便なく時局業務上支障の点甚だしきものあり
其の他
 1.将来拡張欄に注記せる如く東方乃至東北方に飛行場を拡張
  せざるべからず
 2.当校改変に伴ひ西南方地区を工場地帯として拡張せられ度
 3.西校舎(元第一航空教育隊跡)に関しては管理飛行場なきを以
  て省略す
  但し今次改変に伴ひ可及的に敷地拡張を必要とす

■各務原市のサイト戦時資料3(下記リンク参照)によれば、「大正7(西暦1918)年に所沢より「鵜沼(現鵜沼朝日町)に移駐してきた航空第二大隊は、その後大正11年には飛行第二大隊、大正14年には飛行第二連隊、昭和13年には飛行第二戦隊と名称を変え、昭和17年に満州に移動した。」

DSC_0068.jpg

赤マーカー地点。


      岐阜県・各務原飛行第二連隊飛行場(各務原東飛行場)跡地     

各務原飛行第二連隊飛行場(各務原東飛行場) データ

設置管理者:陸軍
種 別:陸上飛行場
所在地:岐阜県各務原市鵜沼朝日町
座 標:N35°23′32″E136°53′56″
標 高:50m
着陸帯:780mx310~500m
方 位:09/27
(座標、標高、着陸帯長さ、方位はグーグルアースから)

関連サイト:
各務原市/戦時資料3   
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この記事の資料:
防衛研究所収蔵資料「飛行場記録(内地の一部) 陸空-本土周辺-110」
防衛研究所収蔵資料「陸空-本土防空-48飛行場記録 内地(千島.樺太.北海道.朝鮮.台湾を含む) 昭19.4.20第1航空軍司令部」


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