スペースジェット開発中止・3 [├雑談]
■飛び恥
「環境負荷の大きい飛行機の利用は恥ずべきことだ」
「短距離の移動は飛行機ではなく列車の利用を促進すべし」
数年前から耳にするようになった「飛び恥」。
オイラは、「一時期グ〇ダさんがギャーギャー騒いでたけど、一般的にはまだ標語レベルっしょ」と思ってました。
ところがです。
フランス政府は、国民から150人を選出して「気候市民会議」を発足。
「気候市民会議」は気候変動対策として149の施策を政府に提案。
その提案の中に、「列車を利用して4時間以内で移動できる短距離区間での航空路線の運航は禁止する」
というものが含まれていました(@Д@)
この提言を受けたフランス政府は「4時間以内」→「2時間半以内」に修正、経由便の部分を追加し、
「列車を利用して2時間半以内で移動ができる短距離区間での航空路線の運航は、経由便など一部を除いて禁止する」
として、2021年8月フランス環境法成立。
こうして、2時間半以内に列車移動できる航空路線は、フランス国内では原則禁止となりました。
フランスの運輸相は「フランスがこの分野の先駆者であることを誇りに思う」とご満悦。
当然これには航空業界が猛反発。
欧州委に提訴したんですが、
欧州委は2022年12月、パリ・オルリ空港とナント、リヨン、ボルドー、
それからリヨン空港とマルセイユの運航を禁止するフランスの措置を承認しました(上のマップ)。
フランス政府は、今回承認を受けた路線について、3年後に「成功」と判断されれば、
さらに多くの短距離路線をビシバシ廃止する方針とのことです。
そしてこの「脱・短距離航空路線」の動きはフランスのみならず、欧州全体に広がりを見せています。
例えば、
「環境負荷の大きい飛行機の利用は恥ずべきことだ」
「短距離の移動は飛行機ではなく列車の利用を促進すべし」
数年前から耳にするようになった「飛び恥」。
オイラは、「一時期グ〇ダさんがギャーギャー騒いでたけど、一般的にはまだ標語レベルっしょ」と思ってました。
ところがです。
フランス政府は、国民から150人を選出して「気候市民会議」を発足。
「気候市民会議」は気候変動対策として149の施策を政府に提案。
その提案の中に、「列車を利用して4時間以内で移動できる短距離区間での航空路線の運航は禁止する」
というものが含まれていました(@Д@)
この提言を受けたフランス政府は「4時間以内」→「2時間半以内」に修正、経由便の部分を追加し、
「列車を利用して2時間半以内で移動ができる短距離区間での航空路線の運航は、経由便など一部を除いて禁止する」
として、2021年8月フランス環境法成立。
こうして、2時間半以内に列車移動できる航空路線は、フランス国内では原則禁止となりました。
フランスの運輸相は「フランスがこの分野の先駆者であることを誇りに思う」とご満悦。
当然これには航空業界が猛反発。
欧州委に提訴したんですが、
欧州委は2022年12月、パリ・オルリ空港とナント、リヨン、ボルドー、
それからリヨン空港とマルセイユの運航を禁止するフランスの措置を承認しました(上のマップ)。
フランス政府は、今回承認を受けた路線について、3年後に「成功」と判断されれば、
さらに多くの短距離路線をビシバシ廃止する方針とのことです。
そしてこの「脱・短距離航空路線」の動きはフランスのみならず、欧州全体に広がりを見せています。
例えば、
ストックホルム~ベルリン間には航空路線があります。
飛行時間は1時間35分~1時間50分程度。
料金は10,000円~16,000円くらい(2023年3月時点)。
同区間には夜行列車の運行があります■
運行スケジュール:
ストックホルム中央駅 16:23発→ベルリン中央駅 8:47着 (所要時間:16時間24分)
ベルリン中央駅 20:57発→ストックホルム中央駅 14:10着 (所要時間:17時間13分)
3月~11月初旬まで、土曜以外の毎日運行
料金は、
スタンダードシート:約7,000円~
リクライニングシート:10,600円~
となっています(2023年3月時点。寝台もあるけどよく分かんない)。
実は昨今の「飛び恥」の影響から、この夜行列車の乗客数はこれまでの6倍に跳ね上がっており、
急増する需要に対応するため、供給を増やす計画なのだそうです。
同区間の飛行機も夜行列車も、チケットの買い方、買う時期により金額が変わるので、
どっちが高いのか安いのか、単純な比較は難しいんですが、2023年3月時点で調べた限りでは、
列車だと座りっぱでもヒコーキより「そこそこ」安い程度。
確実に車内で二食ですし、流れゆく夜景を眺めていたら、いつの間にかお酒だって飲んじゃうかもしれません。
寝台を利用したら、チケット代だけでヒコーキと同等かそれ以上になるんじゃないでしょうか。
オイラは一応航空ファンの端くれなんですが、己の趣味は置いといたとしても、
座りっぱで16時間はちょっと耐えられるか心配です(主に体力的に)。
ヒコーキならたった1時間35分~1時間50分で行けるのに、「地球環境のために」という意識から、
16~17時間もかかり、料金的なメリットも(それほど)ない夜行列車を選ぶって、凄くないですか?
Googleで【〇〇空港_××空港】と検索すると、トップに各便の情報が並びます。
「フライトを表示→」で更に詳しく見ると、
各便ごとに排出する二酸化炭素の重さ、その便が排出する二酸化炭素が多いとか少ないとか、
パーセンテージも表示されます。
この表示は欧州路線でも日本の国内線でも同様なんですが、
きっと環境意識の高い欧州では、飛行機を利用するにしても、チケット代や時間だけでなく、
「二酸化炭素排出量」もどの航空会社の便を利用するかの重要な要素になっているんでしょうね。
こうした「地球環境のために飛行機止めて列車を使おう」という動きは他にも多々あり、
手ごたえを掴んだ欧州では、短距離航空路線を廃止するために新たな高速鉄道路線の整備を進めています。
という訳で「飛び恥」、標語レベルどころか、既に航空路線を駆逐し始めてました(XДX)
フランスの消費者団体によれば、飛行機は電車と比較して乗客1人当たり平均で77倍のCO₂を排出している。
としています。
ヒコーキは離陸、上昇時にもの凄い燃料を喰い、その分二酸化炭素を排出しますから、
短距離路線はかなり効率悪いです(東京~大阪だと水平飛行時間は5分~10分程度らしい)。
成層圏に二酸化炭素を排出するのも非常によろしくないらしいです。
ですので、「長距離の移動まで列車だと時間がかかり過ぎて厳しい」という面だけでなく、
環境面からも、短距離航空路線に狙いを定めて「廃止すべし」という動きになっているのは、
妥当な考えと思います。
一方、
「世界規模で見ると、人間の排出するCO₂のうち、航空機が占めるのはたった2%に過ぎない。
その中の短距離路線だけ廃止したところで、効果はほとんどない」
というのが航空業界側の言い分です。
「全体から見れば大したことない」というこの論法、
「小さなことからコツコツと」
「出来ることから始めよう」
を信条とする環境意識の高い方々の琴線に触れることはないでしょう。
二酸化炭素削減について、「どこから削減しようか」となった時、
飛行機が真っ先にやり玉にあがってしまうのは、仕方のないことだと思います。
もちろん航空業界だってただ手をこまねいている訳ではありません。
目立つ所では、持続可能な航空燃料(SAF)の導入、燃費2割向上を目指す全翼機の開発計画等ありますが、
SAFは従来の燃料と比較して非常に高価(2~10倍)、原料調達で既に争奪戦になる等問題山積です。
(続きます)
1から読ませてもらってますが、開発中止というのは
残念としか言いようがないです。
中距離を飛ぶのなら、鹿児島では離島便として有効と思ってましたから。
フランスの列車で2時間の距離なら、鹿児島中央駅から特急で宮崎駅くらいでしょうか?確かに飛行機は使わないですね。
広島、大阪とかなると新幹線より飛行機!溝辺まで移動しても時間が短くすみます。
日本製の旅客機、世界の空を飛んでほしいなぁ。
by 鹿児島のこういち (2023-03-13 18:55)
SNCFの働きかけ
島国ではない事情によるTGV戦略も影響あるのでしょうか?
by an-kazu (2023-03-13 20:30)
■鹿児島のこういちさん
ご覧いただきありがとうございます。
開発中止は本当に残念ですね(;´Д⊂)
>広島、大阪
鹿児島からだと、そんな感覚になるんですね。
by とり (2023-03-15 05:16)
■an-kazuさん
欧州の鉄道側の戦略オイラ知らないです。
すみません。
鉄道網整備の面で見ると、地理的に日本より有利だとは思います。
by とり (2023-03-15 05:25)