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直江(第二新川)基地跡地 [├国内の空港、飛行場]

   2015年10月訪問 2022/1更新  

無題4.png
撮影年月日 1947/10/03(昭22)(USA R514-4 45)  
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成) 

島根県出雲市にあった「直江(第二新川)基地」。

■「川の中の飛行場」という書籍の中で当基地の位置について、

阪神工業の辺りから斐川町役場までの間」にあり、白菊用の予備滑走路として計画されたと記されています。

この情報は再生おじさんから頂きましたm(_ _)m 

「阪神工業(赤マーカー)の辺りから斐川町役場(紫マーカー)までの間」は約920mです。

■「海軍航空基地現状表(内地の部)」をはじめ、様々な資料は滑走路の長さを600mx30mとしているため、

阪神工業の辺りから斐川町役場までの間」920mの範囲に600mの滑走路があったことになります。

ではドコからドコまでなのかが問題となりますが、ここは転圧式で戦後すぐに畑になったのだそうで、

終戦から2年後の航空写真を見てもオイラにはまったく分かりません。

上に貼った1947年の航空写真の赤矢印部分、なんか造成工事が途切れているように見えます。

で、ここが滑走路の東端と仮定して、ここから西に600m線を引くと、上図のようになります。

滑走路の位置もハッキリしないのですが、「旧新川河川敷に建設」とあるので、道路に沿って幅30mの線を引きました。

自信ないのですが、おおよそこんな感じだったのではないかと。

■防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 舞鶴鎮守府航空基地現状表」
の中で、当飛行場について一部次のように記載がありました。

基地名:直江 建設ノ年:1945 飛行場 長x幅 米:600x30方向EW 主要機隊数:小型 主任務:退避

■「航空特攻戦備」第2期 として以下記載がありました(下記リンク参照)。PUTINさんから情報頂きましたm(_ _)m

方面  舞鶴
牧場  直江
滑走路 五〇×六〇〇
縣郡村 島根、□□ 直江村
記事  既成

D20_0161.jpg

赤マーカー地点。

阪神工業様から役場(現斐川支所)方向。

第338設営隊の日誌によりますと、設営に当たったのは、

舞鶴鎮守府所属の第338設営隊と第3311設営隊、美保空の予科練生。

当初の基地名称は、「第二新川基地」。

完成したのは、7月15日(建設を始めたのは6月26日?)。

当初は第一新川基地(のちの大社基地)の諸施設完成後に直江基地の設営に取り掛かる予定であったが、

戦局の悪化(沖縄の失陥)に伴い、予定を繰り上げて直江基地を完成させた模様。

最終的には、大社基地と直江基地の滑走路を繋ぐ誘導路を完成させる予定であったが、

昭和20年7月31日の時点で完成しておらず。

また、7月31日付の日誌に「今後、九三式中練30機分の掩体を滑走路周辺に構築予定」とありました。

以上の情報は、PUTINさんから頂きましたm(_ _)m 



大社基地と直江基地の位置関係。

前述の通り、両者を誘導路で繋ぐ計画があった訳ですが、直線距離で約2.57km離れています。

1947年の航空写真で、大社基地と直江基地の間をパラパラ見ていくと、

両者の間に誘導路らしきものが見えます(そんな気がする)。

戦後すぐに畑に戻され痕跡の無い直江基地とは対照的に、

現在も滑走路の一部が生々しく残る大社基地が圧倒的に有名なのですが、

様々なサイト様を覗いてみると、この大社基地と直江基地を混同している例が多々見受けられます。 

 

直江基地は、砂利敷きの上に真砂土で転圧した滑走路で、白菊用の基地だったとする資料がある他、

九三式中間練習機(通称:赤とんぼ)で特攻を行なう準備が進められていたとする資料もあります。 

また、直江基地は特攻機の使用が前提で、着陸する必要がない離陸専用であったため、

「応急離陸場」と呼ばれ、非常に短い滑走路が特徴であるとするサイト様が多数あります。


      島根県・直江(第二新川)基地跡地     

直江(第二新川)基地 データ

設置管理者:海軍
種 別:秘匿飛行場
所在地:島根県出雲市斐川町上庄原
座 標:N35°08′23″E132°37′15″
標 高:5m
滑走路:600mx30m
方 位:06/24
(座標、標高、方位はグーグルアースから)

沿革
1945年06月 26日 着工?
     07月 15日 完成

関連サイト:
「航空特攻戦備」第2期(21コマ) 
ブログ内関連記事    

この記事の資料:
川の中の飛行場
「海軍航空基地現状表(内地の部)」


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コメント 2

me-co

あまり記憶力が良い方ではないと思ってますが(汗)地理的な見分力は、「あるなー確かに」と、とりさんから仰っていただいて認識した次第です(^^;)
直江の方は、県道183を斐川ICに向かっていた時、ファミマで信号待ちして、「なんか変わった土地だな・・・」と思ったのを思い出しました。まさか、すぐそこに、かつて飛行場があったとは(・_・;)
by me-co (2016-05-04 02:06) 

とり

■me-coさん
>ファミマで信号待ち
それそれ、それですよ!>記憶力
「変った土地だな~」という心証があるにしても、普通絶対コンビニまで覚えてませんから。
me-coさんもしかして、映像で記憶していくタイプなのかしらん。

実はここのファミマ、お邪魔した当時は「もしかしてココから滑走路だったかも」と
思っていたので、ここから東を向いた画も撮りました^^
by とり (2016-05-04 15:48) 

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