787デリバリー 3周年 [├雑談]
■787増産計画
早いもので、9月25日で787初デリバリーから丸3年経ちました。
この3年でどの位の787がデリバリーされたのか調べてみました(データは本家ボーイング■ から頂きました)。
2011年 3機
2012年 46機
2013年 65機
2014年 75機(9月24日まで)
ということで、デリバリー開始から3年間の合計は189機でした。
2013年は1月~5月末までバッテリートラブルで運行停止という、メーカーにとっては悪夢のような事態が発生しましたが、
第3四半期で既に昨年の数字を上回っており、
(メーカーの思惑通りのスピードかどうかは別として)増産傾向が続いています。
以前の記事■ にも書きましたが、787はワシントン州エバレットにある主力工場に加え、
2012年以降、サウスカロライナ州のチャールストン工場でも最終組み立て機が出荷されるようになりました。
7月30日付ボーイングのプレスリリース■ によりますと、
787型機ファミリーの2機種(-8、-9型機)の最終組み立てはこれまで通り両工場で行い、
現在設計段階にあり、3機種目となる787-10の最終組立に関しては、
チャールストン工場だけで専念して行うことになったようです。
現在787型機の製造ラインは、エバレット工場に2つ、チャールストン工場に1つあって、
合計3ラインで月産10機体制となっています。
ボーイングは787生産数について、2016年には月産12機、2019年までには月産14機に引き上げるとしており、
エバレット工場は今後も月産7機を維持し、増加分は全てチャールストン工場で賄う計画です。
具体的には、チャールストン工場は現在の月産3機から、
2016年には5機、2019年までには7機と、段階的に引き上げる予定なのだそうです。
2014年9月現在の787受注残数は、861機■
今後仮に増産計画が順調に推移したとして、
2020年に入って現在の注文分を作り終える計算になります。
ということは、今から787を注文すると、受け取ることが出来るのは、早くて6年後ということに。
一方のA350は750機もの受注を集めて現在試験飛行の真っ最中で、
先月欧州航空安全庁(EASA)から型式証明取得を発表したばかり(FAAはこれから)。
今のところ今年中のデリバリーを予定していますが、こちらはどうなるでしょうか。
■歴代機の中の787
余談ですが、以前作ったデリバリー数の表を更新して貼ってみました。
ボーイングジェット旅客機は既に半世紀以上の歴史があるのですが、表をずーっと見ていきますと、
ナロウボディー機は別として、ワイドボディー機でデリバリー数年間120機を達成したことはこれまで1度もありません。
(単に狙ってなかっただけかもしれませんけど)
ワイドボディー機の年間デリバリー数最大は、これまでずっと1970年に747型機が記録した92機だったのですが、
2013年に777型機が98機という数字を叩き出して記録を塗り替えました。
因みに787とほぼ同サイズの767の場合、年間最高数は1992年の63機。
787は昨年(デリバリー開始から僅か2年ちょい)この記録を塗り替えたことになります。
このまま生産が順調に進めば、787はワイドボディー機としては今年史上初めて年間デリバリー100機の大台を超え、
増産計画が予定通り進めば、年間120機、144機、168機と増えていくはずです。
年間デリバリー数では表の通りで737がダントツな訳ですが、年別では2013年が過去最高数です。
こちらは440機ですから、1日1機以上のペースデスヨ(XДX)
因みに737は2014年9月現在、シリーズ合計4,033機というバックオーダーを抱えています。
この桁違いの受注残に対応する為ボーイングでは、737型機の月間製造機数を現在の42機から、
2018年に52機に引き上げることにしており、計画通りにいけば、年産624機に達します(☆Д☆)
■1,000機
ボーイング生粋のジェット旅客機はこれまで全ての機種でデリバリー1,000機超えを果たしており、
受注数を見る限り、787も「ボーイングに外れ無し」を踏襲することになりそうです。
この表の数字はそれぞれ、「型式」、「デリバリー開始した年-1,000機超えを果たした年」、「その所要年数」です。
これまでの1,000機達成最速は、727の12年間ということなのですが、
このままいくと787がこの記録も更新しそうです。
まあこの手の数字は延びるのが常ですから、更新できるかどうかは微妙になるかもしれませんが、
それでもこれは、ボーイングの半世紀以上の歴史の中でナロウボディーを含めた全てのシリーズでの数字ですから、
787が如何にとんでもないかが分かりますね。
2013年までのシリーズ総納入数では7,865機と別次元の737ですが、意外な事に1,000機超えは17年を要しており、
727の12年に大きく水をあけられています。
(因みに737の7,000機目デリバリーは2011年12月16日。8,000機目デリバリーは2014年4月16日でした)
737は大器晩成タイプですね。
こうして年ごとに数字の移り変わりを眺めていると、いろいろ疑問、発見が出てきます。
767は1,000機の受注を得るのに30年かかりました。
一方座席数がほぼ同じでキャラ被ってるはずの787は僅か10年で達成です。
この差はどうしたことでしょう。
背景にメーカー、航空会社、市場、社会情勢等、様々な事情が浮かび上がり、興味深いですね。
ということで、「787 祝3周年」という記事のつもりだったのに、なんかいろいろ脱線してしまいました。
オイラの妄想話にお付き合い頂きまして、誠に有難うございましたm(_ _)m
乗るはずだった便が変更になったりでまだ787乗ってないんですよね^^;
by miffy (2014-10-13 09:58)
浜松に来てから、出張が激減しました事もあり、
新幹線で済んでしまう事もあり、未だ乗る機会が訪れません。
787凄い受注数ですね。それに比べてA社、大丈夫でしょうか?
by セバスちゃん (2014-10-13 21:49)
新しい世代の機体(??)は、380と777までは何とか乗りましたが・・
何故か、787は縁がありません。当地の空港も機体のスケールダウンが、、
たまに、成田行きが787になるのですが・・当たりませんね・・
乗りたいですが・・
by oldman (2014-10-14 09:10)
787は狙ってなかったけど3回ほど体験しています。
結構飛んでますね。
あ、私はANA派なので余計に多く乗る機会があるのかもしれません。
by ジョルノ飛曹長 (2014-10-14 12:50)
皆様 コメント、nice! ありがとうございますm(_ _)m
■miffyさん
それは残念でした。
因みにオイラは未だ見てもいません^^;
■セバスちゃんさん
浜松からだと新幹線ですよね~^^;
>A社
A350のデリバリーは目前ですが、その後量産計画が順調に進むかどうかは未知数ですね~。
因みにA320(737のライバル機)は737を凌ぐバックオーダーを抱えております。
■OLDMAN様
380のられたのですね。
羨ましいです。
居住地も大きいですが、いつか787も登場の機会に恵まれるといいですね。
■ジョルノ飛曹長さん
ANA派だと遭遇率高いですよね^^
それから先日は質問に答えて下さり、どうもありがとうございましたm(_ _)m
by とり (2014-10-14 18:36)
いや~!わたくしも妄想にのめり込みました^^;
ボーイングのマーケティング力は凄いですね。
途中、「あれ?717は?」という幻影も見ましたが、どうもすいませ~ん!
スルースルー(_O_;)
by me-co (2014-10-17 00:31)
■me-coさん
>マーケティング力
それに尽きるんでしょうね~。
717のことは、オイラも記事書いててちょっと思いました^^;
by とり (2014-10-17 04:51)
今週の台風を避けて一日早く東京に行った時の機体は、B787の812号機。
帰りは運よくB767の国際線仕様機で普通席料金でビジネス席に!
昨日の東京行きは、811号機。
今朝一便の帰りは、825号機。
と今週だけで、B787に3回乗りました。
今日、気がついたのですが、座席上の手荷物収納ボックスが、
825号機は、ちょっと上下幅が狭くなっています。
当初のスタイルは、大きくて便利ですが、背の高い人だと開けた時
頭が当たるく゜らい下がってくるので、少し仕様変更をしたのではと
思います。
だけど登場当初の、暫定国際線仕様機(座席配置が2-4-2)が、
現在の国内線仕様機(座席3-3-3)より、格段に良かったです。
by おろ・おろし (2014-10-18 14:39)
■おろ・おろしさん
今回の台風も西日本に被害が出ましたが、おろ・おろしさんの所は大丈夫だったでしょうか。
787たくさん乗られて羨ましい限りです。
国際線仕様機で普通席料金でビジネス席というのもいいですね^^
>手荷物収納ボックス
こういう違いに気が付くのも、何度も乗っておられるからこそなんでしょうね~。
オイラはこんなブログをやっていながら、ホントに年に何度も乗らないので、
787に乗っても、「わ~! わ~!」で終わると思います^^;
興味深いお話をありがとうございましたm(_ _)m
by とり (2014-10-19 10:46)
今年は、結構台風が日本に来ましたが、
ホームグランドの岡山では、幸いにも、わりと平穏でした。
そう言えば、今年の7月、ほんとうに久しぶりに、研修旅行でアメリカに行く機会がありました。
ツアーが2つのグループに分かれて、ANA組とJAL組。
私はANA組で、帰路は、ニューヨークからワシントンDCまで国内線経由で成田まで。(機体はB777-300ER)
一方のJAL組は、ニューヨークから成田への直行便で
予定では、JAL組が3時間ほど早く帰れるスケジュールでしたが、
不運にも、
搭乗するB787がニューヨークで、機体整備に手間取り、
大幅な遅れで、なんと成田帰着が23時前!
となったそうです。
少しでも早く帰りたい数名は、DELTAに切り替えたそうですが、こちらも
滑走路に向かう途中にトラブル発生で、フライトキャンセルという羽目に・・・。
結局、JALのB787の復旧待ちに戻されたそうです。
それはそうと
そろそろMitsubishi Regional Jetのうんちく話を期待しています。
by おろ・おろし (2014-10-21 22:05)
■おろ・おろしさん
台風被害がなかったようで何よりです。
>JAL組
こんなにトラブルが重なっちゃうことってあるんですね~(XДX)
>うんちく話
オイラの性として、既に巷に出回っている内容は書く気にならないんですよね~^^;
何か書けたら書いてみます。
by とり (2014-10-22 05:43)