朝鮮強化月間開催 [├雑談]
今年2月、市ヶ谷の防衛研究所にて、しこたま資料を撮影してきたのですが、その中に
「航空路資料第9 朝鮮地方飛行場及不時着陸場 昭和18年9月刊行」
という水路部の資料がありまして、序文にこんなことが書かれていました。
1.本誌は昭和13年2月刊行の航空路資料第9を昭和18年4月迄の当部調査
資料に據り増補改訂し朝鮮地方(要塞地帯を除く)に於ける民間飛行場及
現状の儘にて使用し得と認むる不時着陸場に就き記載したるものなり、但
し其の細目に関する記事中には精密なる測量を経ざるものあり。
2.陸軍飛行場に関しては従来航空路資料中に記載し来れるも爾今之等を一括
転録し陸軍航空基地資料(假稱)として刊行す。
3.本誌中改補を必要とする事項は細大を問わず速に当部へ通報あらんことを
希望す。
昭和18年9月
水路部長 阿部 嘉輔
水路部作成の地図をグーグルマップ上に作図することはこれまでもさせて頂いたのですが、
当時の航空写真と比較して、地図にどう考えても辻褄が合わない部分があるのが気になって仕方ありませんでした。
1.の最後のところで、「精密なる測量を経ざるものあり。」という一文があります。
(なんで身内向けの資料なのに改変すんだろ??)なんて思ってたんですが、
測量が精密でない場合もあるんですね~。
この文言を100%額面通り受け取ってよいのかしらん。と勘繰ったりもするのですが、
ともかく水路部長ご本人が「正確でない場合がある」と明言していることが知れたのは、オイラにとって大きかったです。
この水路部資料には各飛行場の地図と、その飛行場の詳細な資料がズラズラと載っているのですが、
1.にある通り、
「朝鮮内の要塞地帯を除く」
という条件付きの民間飛行場と昭和18年時点で使用可能な不時着陸場が全部で14載っています。
で、その14の飛行場をせっせとグーグルマップ上に作図したのでした。
その中には、文字通り非常に簡素な不時着陸場から、
当時の日本本土でもなかなかお目にかかれないような大規模国際空港までバラエティーに富んでおり、
日本統治時代以後現在の至るまでにその飛行場がどんな運命を辿ったかもまた様々でした。
それぞれの飛行場の記事化の過程で、ネットでその飛行場についての情報をあれこれと検索したのですが、
大戦中の朝鮮の様子、日本による統治の様子について、
これまでなんとなくイメージしていたものがガラガラと変わりました。
まあ、元々オイラ、こうした分野に関して(も)かなり無知というのが大きいんですが。
作図の過程で現在の韓国、北朝鮮の様子をグーグルアースで随分と見たのですが、
これまで両国の家一軒レベルまでジックリ眺めることなんてなかったため、
現在の両国についてもイメージが随分変わりました。
来週月曜日以降、順番に14の飛行場記事をアップ致します。
ということで、「朝鮮強化月間」開催です(1カ月もたないけど)。