「君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に處らず。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」 [├雑談]
散々報道されていることの繰り返しになってしまうのですが。
自国の海岸線から12カイリ(22.2km)が領海、領空で、
この領空ギリギリにかすめて飛び去るかと思われた飛行機が突然進路変更して陸地に向かってきた場合、
マッハ1だと約1分で陸地に到達することになります。
この飛行機が攻撃の意図を持っていた場合、これではとても迎撃が間に合いません。
ということで大抵の場合、領空の外側に防空識別圏を設定します。
防空識別圏に接近する不審機に対し、必要に応じて警告したりスクランブルをかけたりして、
領空への侵入を防ごうとする訳ですが、
昨年度、対中国機のスクランブルがロシアを上回り過去最多になったと報道されています。
306回だそうですからほとんど毎日のように発生していることになり、
過去に1度、昨年のことですが、実際に領空侵犯の事例もあります。
防空識別圏の設定は義務ではなく、設けるかどうかは国の判断に任されています。
これまで中国が防空識別圏を設定しなかったということは、
今までその必要性を感じなかったことの裏返しになります。
仮に航空自衛隊機がちょくちょく中国に対し挑発行為をしていたとしたら、今まで未設定ということはあり得なかったはず。
防空識別圏は本来領空侵犯を未然に防ぐための予防策なのですから、
実際にそうした危機に見舞われて初めて設定の意味を持つことになります。
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