小松島航空基地(旧海軍小松島水上機基地) [├国内の空港、飛行場]
2014年6月訪問 2021/11更新
撮影年月日1948/01/21(USA M746 83)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成。2枚とも)
徳島県小松島市にある海上自衛隊小松島航空基地。
前記事の横須海岸の東北東約2.5kmにあります。
ここは旧海軍の小松島水上機基地でもありました。
■防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 大阪警備府航空基地現状表」
の中で、当飛行場について一部次のように記載がありました。
基地名:小松島(水上基地) 建設ノ年:1941-10 飛行場 長x幅 米:巾120x50コンクリート一基 主要機隊数:小型3.0 主任務:作戦 隧道竝ニ地下施設:施設アルモ数量不明
■防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-77 終戦時に於ける海軍飛行場一覧表 昭35.6.29調
には、「小松島空開隊(S16.10.1)(昭16.10建)」とありました。
■防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-90 航空基地図(本土関係)
「別表 航空基地施設史実調査資料表」には、
基地名 小松島(水)
所在地 徳島県勝浦郡小松島町
和歌山県西牟婁郡串本町
最寄駅 小松島線小松島駅
飛行場 滑走路(台)幅120米、長 米(長さは空白)
主要機種 小型
其の他の主要施設 送信所、舟溜、桟橋、隧道等
とありました。
同資料には当航空基地の詳細な青図があり、
上に貼った航空写真にも加えましたが、三つの格納庫の前が「滑走台」と記されており、
先頭のグーグルマップのパープルのポリゴンはそこから作図しました。
滑走台の大きさについて、 上述の通り資料には、
「巾120x50コンクリート一基」、「滑走路(台)幅120米」
とありますが、作図してから滑走台の長さを測ったら、約300mx60mでした。
これは一体。。。
余談ですが、同青図には、 右上に大きく「大津空小松島派遣隊」と書かれていて、
それが鉛筆で消され、「小松島水上機基地」と修正されていました。
赤マーカー地点。
(オイラが回った範囲では)ここが最も基地の様子がよく分かりました。
戦時中は水上機や偵察機の訓練が行われていましたが、現在はヘリコプター基地となっています。
青マーカー地点。
ここは前記事の横須海岸なのですが、スリップが4本並んでいます。
現地にお邪魔した際には、海軍機のものなのか、大正時代からの民間水上機のものなのか、
はたまた全然関係ないのか不明だったのですが、1947年撮影の写真でもハッキリ写っています。
上述の防衛研究所資料の図では、丁度この部分に漢字二文字が書かれているんですが、
たまたま折り畳まれる箇所のため、何と書いてあるか判別がつきませんでした。
「桟橋」と書いてあるような、違うような。。。
ともかく、海軍の図にわざわざ記載があること、そして規模的に、海軍時代の滑走台なのではないかと思います。
この作り方、くたびれ具合は、各地で見てきた大戦中の水上機のスリップ跡とそっくりです。
こんな感じで4本並んでます。
徳島県・小松島航空基地(旧海軍小松島水上機基地)
・海軍小松島水上基地 データ
設置管理者:海軍
種別:水上機基地
所在地:徳島県勝浦郡小松島町
座 標:N34°00′18″E134°37′35″
標 高:3m
滑走台:120mx50m
(座標はグーグルアースから)
・小松島航空基地(現在) データ
設置管理者:防衛省
4レター:RJOP
種 別:ヘリコプター基地
所在地:徳島県小松島市和田島町西林
座 標:N34°00′18″E134°37′35″
標 高:3m
滑走路:250m×45m
磁方位:17/35
(座標はグーグルアースから)
沿革
1941年10月 建設。1日、小松島海軍航空隊開隊
1945年 終戦
1965年03月 海上自衛隊小松島航空隊開隊。再び航空基地となる
関連サイト:
ブログ内関連記事■
この記事の資料:
「日本海軍航空史」(終戦時)
防衛研究所収蔵資料「海軍航空基地現状表 内地之部 大阪警備府航空基地現状表」
防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-77 終戦時に於ける海軍飛行場一覧表 昭35.6.29調
防衛研究所収蔵資料:5航空関係-航空基地-90 航空基地図(本土関係)
3枚目の写真の間知石積と思われる、写真の手前側の間知石の切れたところの下に見える石は、土台として積まれた石なのか、見た感じそもそもそこにあった岩を利用したように見えたのでしょうか?(^O^)
間知石積なら建設当時はまだ余裕のある時期だったのでしょうね。
by 鹿児島のこういち (2014-08-25 10:06)
千葉でいうところの館山のような基地でしょうか?
by an-kazu (2014-08-25 22:24)
スリップ。海に近い場所の状態は良さそうですね。
緑色のグラデーションがいい感じ。
by Takashi (2014-08-25 22:33)
皆様 コメント、nice! ありがとうございますm(_ _)m
■鹿児島のこういちさん
表示がおかしいことは時々あるんですよね~。
お手数お掛け致しましたm(_ _)m
>下に見える石
オイラはそういう見方は出来ないのでさっぱりです^^;
間知石積は余裕がないと出来ないのですかφ(..)メモメモ
■an-kazuさん
言われてみれば共通点多いですね^^
■Takashiさん
>いい感じ。
着眼点!!(@Д@)
そういう目をもってないからTakashiさんみたいな写真は撮れないんだな~。
by とり (2014-08-26 06:36)
急々に造る場合、わざわざ間知石を積むより大きめの栗石を積み重ねたり岩を並べた方がはやいですよ(^O^)昔からある堤防とかにも間知石積のところが今も残ってます。鹿児島の北埠頭にも、桜島フェリーの発着場そばですが、江戸時代の堤防がありますよ。薩英戦争の時の砲台があったと聞いています。
by 鹿児島のこういち (2014-08-27 09:01)
■鹿児島のこういちさん
鹿児島の北埠頭には歴史的な堤防が残っているのですね~。
興味深いお話をありがとうございましたm(_ _)m
by とり (2014-08-28 05:48)