湖山飛行場跡地 [├国内の空港、飛行場]
2016年6月訪問 2021/12更新
撮影年月日 1947/09/23(昭22)(USA R507-4 20)■
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院データを加工して作成)
鳥取県鳥取市にある湖山池。
かつでここに湖山飛行場があり、昭和初期に水上機で兵庫県の城崎、島根県の松江と結んでいました。
この飛行場のことは情報が非常に限られていて、特に場所をピンポイントで絞り込むことがなかなかできませんでした。
湖山池南岸にある「湖山池情報プラザ」(青マーカー)の展示物でやっと場所が判明したのでした。
現在の鳥取空港は1967年に開港しました。
それ以前は、現空港のすぐ南側に市営飛行場があり、1957年~1964年まで使用していました。
湖山飛行場の歴史はそれよりずっと早く、1932年から城崎便を運航していましたから、
現在の鳥取空港の南約3kmにあるここ湖山飛行場から、鳥取県の民間航空輸送の歴史は始まったことになります。
昭和6年6月、日本海航空社長が着水地を求めて鳥取にやって来ました。
当初は千代川河口と湖山池の二か所が候補地だったのだそうです。
そして昭和7年、日本海航空株式会社により、兵庫県城崎~湖山池間の水上飛行機が運航されるようになり、
昭和8年より城崎~鳥取間に定期便を開始しました。
更にその後 城崎→鳥取→松江→鳥取→城崎のコースで飛ぶようになり、「空のタクシー」と称されたのだそうです。
日本海航空はその後も路線を広げていったのですが、昭和11年に逓信省から「松江~大阪定期航空路放棄」要請を受け、
国策統制が強くなり、この年から業績が落ち込みました。
そして昭和14年の末、一切の現品を大日本航空輸送に引き渡し、翌年の1月臨時株主総会により解散が決議され、
こうして日本海航空はその短い歴史を閉じたのでした。
湖山湖東岸に残る飛行場桟橋跡。
定期便の就航にあたり、湖山飛行場の位置は、湖山池北岸から東岸のこの場所へと移動したのだそうです。
先頭の航空写真は、日本海航空解散から7年後のものですが、既に桟橋は跡形もなく、
道路のようなものが認められるのみで、桟橋は早々に撤去されてしまったようです。
鳥取県・湖山飛行場跡地
米子でも海岸部への飛行機誘致の動きがあったのですが、叶わなかったのだそうです
湖山飛行場 データ
種 別:水上飛行場
所在地:鳥取県鳥取市桂見
座 標:N35°30′10″E134°10′12″
(座標はグーグルアースから)
沿革
1931年06月 日本海航空社長、鳥取へ。市役所にて航空座談会
09月 遊覧飛行実施
1932年 兵庫県の城崎便開設
関連サイト:
ブログ内関連記事■
この記事の資料:
湖山池情報プラザ展示物
コメント 0