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島根県・北浜防空監視哨跡 [├場所]

   (訪問不可)  



島根県出雲市にある「北浜防空監視哨」跡。

現在跡地周辺一帯はユーラス新出雲ウインドファームの用地になっており、立ち入りができません。

2013年3月 出雲市教育委員会から報告書がが出されました。

これは風力発電建設に伴い、2007年度に実施した北浜防空監視哨跡の発掘調査の報告書で、

【出雲市文化財調査報告書 北浜防空監視哨跡 高島城跡】で検索すると閲覧できます。

この報告書から監視哨関連を以下抜粋させて頂きました(詳しくは直接報告書をご覧ください)。

 太平洋戦争末期には、十六島町の北側の半島稜線上に防空監視哨が建設された。主に西から進入してくる敵機を哨戒することが目的であり、学生たちが監視の任務にあたった。くしくも現代では、北浜防空監視哨から東へ3.3キロメートルの半島稜線上に、航空路監視レーダーが建設されており、今は昔と違い、航空機の安全航行の監視を担っている。

 当初は聴音壕のある尾根上に風力発電施設、建物跡に管理用道路を通す予定で、北浜監視哨跡全体が取り壊される計画だったため、現地保存できるよう計画変更をお願いした。

 聴音後は、尾根の最上部の標高212mの地点に築かれたコンクリート製の構造物である。保存状態について観察したところ、ほとんど劣化をしておらず、良好な状態を保っていた。外径は3.7m、内径は3mあり、深さは2.2mある。外壁の構築法をサブトレンチで確認したところ、10cmx6cmのコンクリートブロックが互目の積み方であると判明した。壕の内壁はモルタル仕上げがされている。

 小ブロックを二重に積み上げ、その間を空洞にして、飛行機の爆音を反響しやすくした構造になっている可能性が高い。

 床面はコンクリート敷きである。床面の壁に沿いに高さ50cm、長さ80cm、幅30cmの方形の台座が設けられている。監視員の腰掛であり、東西南北4方にあるのは、敵機の飛行方向に関する的確な情報を探知するためであろう。

 北浜防空監視哨は、昭和16年(1941)に設置され、終戦まで監視体制がとられていた。勤務は哨長1名、副哨長3名、哨員18名で構成され、哨長は不定期であった。勤務は副哨長1名に哨員の6名を1班とした3班編成で、3交代制の24時間勤務であった。勤務内容は立哨2名、通信2名、休息2名の2時間交替の繰り返しであったようである。哨員は北浜、西田、鰐淵3地区の16歳から18歳の男子で、青年学校の生徒が勤務に当たっていた。

 聴音壕は戦後60有余年経っているにもかかわらず、保存状態が良好であった。佐香と小田の監視哨のものと構造・規模が同じであることから、同一の設計図を基に施工されたと考えられる。


二重構造、腰掛の位置等、思いもよらぬ工夫がなされていたのですね。




     島根県・北浜防空監視哨跡         
北浜防空監視哨 データ
所在地:島根県出雲市十六島町1486-1ほか
座 標:35°28'09.5"N 132°45'03.8"E
標 高:212m
(座標はグーグルアースから。所在地、標高は資料から)

沿革
1941年 設置。終戦まで監視体制がとられる


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