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三菱スペースジェット・4 [├雑談]

GTF搭載機種

三菱が「PW社のGTFエンジンを採用します」と発表した当時、関係者一同ビックリだった訳ですが、

その後、ボンバルディアがCシリーズで、エンブラエルがE2で、MRJを追撃したのは前記事の通りです。

そして、イルクート(ロシア)のMS-21、エアバスのA320neoもPWのGTFエンジンを採用したのでした。


先ず、イルクートのMS-21(150~210席)ですが、

2009年に開発を決定しています。

使用エンジンについては、MRJ、Cシリーズ、E2ファミリーがGTF一択だったのに対し、

MS-21はアヴィアドヴィガーテリ社(ロシア)製PD-14か、PWのGTFのどちらか選択式となっています。

GTFエンジン搭載の-300型は2017年5月に初飛行を行ない、

2021年12月にロシア連邦航空局から型式証明を取得、そして2022年中には運行開始予定でした。

PD-14エンジン搭載の-310型の方は、2020年12月に初飛行に成功し、

2022年に型式証明取得を目指すとしています。

PWのGTF搭載型の方が初飛行、(ロシア国内の)型式証明取得と、開発が先んじていたんですが、

ウクライナ情勢から当面の間、アヴィアドヴィガーテリ社製PD-14一択になるのは当然として、

欧米からの部品調達比率が大きいため、今後の量産そのものが危ぶまれると思うのですが。

2月24日のウクライナ侵攻から、この記事を書いている時点で既に5ヶ月が経過しましたが、

ネットで見る限り、開発に関する進捗状況の情報はパッタリ途絶えてしまいました。

敢えて挙げるとすれば、3月7日付の記事なんですが、

なんとプーチン大統領がアエロフロートを訪問した際、

「イクルートMS-21は欧米機より優れている」と発言していますΣ(゚Д゚;)マジカ


エアバスのA320neoの方は、2010年12月に開発を決定しています。

こちらはCFM社のLEAP-1Aエンジンか、PW社のGTFか、いずれかのエンジンを選択できるようになっていて、

2014年初飛行、2016年に運行を開始しています。

2022年4月30日現在、受注:8,078、デリバリー:2,222

2021年12月現在の採用数は、CFM 2,330 に対し、PW 2,485 と、PWのGTFがやや優勢となっています。 




実際の燃費

エンブラエルのE-Jetの方は前述の通り、エンジンは主翼吊り下げ方式で、

そのままGTFエンジンに換装しようとしても、太過ぎて地上に擦ってしまう問題があったのですが、

GTF換装型として開発されたE-Jet E2の方は、

GTFに最適化した新設計の主翼、脚も約50cm伸ばし、しっかり合わせてきました。

E2シリーズは2022年3月末現在、受注数:221機、デリバリー数:52機となっています。

気になるGTF搭載型の燃費についてですが、

E2各モデルによって差はありますが、従来機と比較して、17~23%の燃費低減を実現したとしています。

Wiki/Embraer E-Jet E2 family によれば、E190-E2の燃費は17.3%向上したとしており、その内訳は、

GTF:11%、高アスペクト比の新設計の主翼:4.8%、フライバイワイヤーの15%小さいテール:1.5%

とあります。


ボンバルディアCシリーズ(現・エアバスA220)の方も20%の低燃費を実現しています。

また前述の通り、A320neoはCFM社のLEAP-1Aエンジンか、PW社のGTFか、どちらか選択式な訳ですが、

ネットで各社使用実績を見る限り、

どちらのエンジンでも従来のA320ceoと比べて最大約20%の低燃費を実現しているようです。

MRJ開発当時、「GTF搭載により、20%の低燃費を実現します!!」と宣伝していましたが、

先にGTF搭載型で運行開始までいっているボンバルディアとエンブラエルは、

三菱の宣伝と同等の性能を既に実現しているため、今後スペースジェットが運航開始したとしても、

「GTF搭載による低騒音と燃費20%低減」は、三菱スペースジェットの専売特許ではなくなってしまいました。




スコープ・クローズ

スペースジェットと座席数で競合するエンブラエルE175-E2のローンチが始まったのは2013年でした。

そしてこの段階では、「デリバリー開始時期は2020年」としていました。

2018年4月にE190-E2、2019年9月にE195-E2を相次いでデリバリーさせたエンブラエルからすれば、

「2020年デリバリー開始」というスケジュールは十分実現可能だったはずです。

E175-E2のデリバリー開始時期が2020年ということは、

スペースジェットの優位性が保てるリミットは2020年まで。ということです。

2022年現在、スペースジェットは開発凍結のままですから、

E175-E2のデリバリーが予定通り2020年に始まっていれば、

既にスペースジェットは、"技術の陳腐化"が生じ、優位性を失っていたことになります。

ところがエンブラエルは2016年、E175-E2のデリバリー開始時期を2021年に変更すると発表し、

2021年4月には、「最速でも2024年に変更」と発表し、

2022年2月にはとうとう、「開発を3年間停止し、2025年頃に開発活動再開、2027年~2028年頃に運用開始予定」

と発表するに至りました。


まるでドコかのように、ズルズルと遅延を繰り返していますが、

これは開発に手こずっているからではなく、「スコープ・クローズ」という労使協定が関係しています。

これは(オイラが大雑把にしか分かってないので)大雑把に説明すると、

近年リージョナルジェット機が大型化の傾向にあることから、

北米の大手エアラインパイロット組合側が職域の侵害に危機感を覚え、

リージョナルジェット機の大きさに制限を設けて、自分達の職域を護ろうとするものです。

「こちらの示す制限を超えるリージョナルジェットは導入しちゃダメ」というのがパイロット組合側の主張。

一方航空会社側としては、リージョナルジェットの大型化は世界の趨勢であり、

パイロット組合の主張より大きい機体を導入したいと考えています。

このため会社側はパイロット組合と交渉を重ね、制限の上限を引き上げようとしています。

パイロット組合というのはかなり大きな力をもっているのだそうで、

しかも北米は他地域と比較して桁違いのヒコーキ市場(MRJの受注407機のうち340機は米国だった)ですから、

リージョナルジェット機メーカーとしては仕様を決めるに当り、この労使協定の行方は絶対無視できません。

パイロット組合の要求する制限値は各航空会社によって多少異なるのですが、代表的なところでは、

「座席数:76席、最大離陸重量:39,000kg」という数字があります。

一例としてE175(CF34搭載の従来型)の場合、2クラス76席、 標準型の最大離陸重量:37,500 kg

でこの制限をクリアしていて、これは北米で現在でも普通に売れています。

MRJにも座席数で3タイプが計画されていて、最も小さいMRJ70の場合、

標準座席数は76席、最大離陸重量は、標準型:36,850kg、航続距離延長型:38,995kg となっていて、

特に航続距離延長型の38,995kgというのは、この協定をクリアできるギリギリの数字です。

「たった5kgのこだわりに一体何の意味があるというのか。キリ良く39,000kgでええやん」

なんて不思議に思ってたんですが、この協定をすごく意識した数字だったんですね。

「じゃあ、早くその協定に適合する型式作って売ればいいじゃん」

と思いますが、航空会社側が本当に飛ばしたいのは、これよりもう少し大きいサイズであり、

パイロット組合との交渉を重ねることでこの上限を引き上げ、

大きな機体を導入する意向であると度々公言しています。

そしてエンブラエルは、E175の改良型であるE175-E2を開発するに当たり、

この上限引き上げがすぐにも実現するだろうと考え、80席クラス、44,800kg という仕様を定めました。

これは、「現行の協定では導入できないけど、航空会社が本当に欲しい大きさ」ということですね。

MRJの方も考え方はエンブラエルとまったく同様で、

現行の協定には適合しない80席クラス、42,800 kgのMRJ90の開発を優先し、

協定に適合するMRJ70の開発は後回しにしました。

エンブラエルと三菱の考えは多分こんな感じ。

「今の協定の基準に適合する仕様で造れば、そりゃ北米では問題なく売れるだろうけど、

世界の趨勢からすると、これでは小さ過ぎる。

制限はすぐにも緩和されるだろうから、焦って小さ過ぎる機体を開発するのは得策ではない」

仮にちっこい機体が完成したところで制限が緩和されちゃったら、

航空会社がちっこいヒコーキには目もくれずに大きいヒコーキに飛びつくのは目に見えてます。

せっかく造ったのにほとんど売れず、「…どーすんのコレ?(困惑)」てなりかねないですからね。




まだチャンスある

ということで、GTFエンジン採用機種を座席数で並べてみるとこうなります。

イルクートMS-21(150~210席)
エアバスA320neo(160~190席)
エアバスA220(100~140席)
エンブラエルE-Jet E2(80~140席)
三菱スペースジェット(70~90席)

座席数で比較すると、三菱スペースジェット(70~90席)と競合するのは、エンブラエルE-Jet E2(80~140席)

のみで、それ以外はもっと大きなクラスです。

競合するエンブラエルE2について、派生型で分けるとこんな感じ。

E175-E2(80~90席)
E190-E2(100~110席)
E195-E2(120~140席)

三菱スペースジェット(70~90席)と競合するのは、3タイプのうち、E175-E2(80~90席)であり、

前述の通りエンブラエルはうんたらかんたらでこのタイプだけ2027年~2028年頃にデリバリー開始予定。

ということで、GTF採用を決めた5機種の中で、三菱スペースジェット(70~90席)と競合するタイプは、

2027年までは現れず、ポッカリ空いている訳です。

こんな千載一遇というか、奇跡的な状況って、そうそうないと思うのですが。

そしてこの状況をみすみす逃すテはないと思うのですが…。

(まあこれも、エンブラエルの気持ち一つでずっと早まる可能性はあるんでしょうけど)


現状、三菱は開発凍結で散々な言われようですが、

「開発凍結」ということで言えば、協定緩和を見越して市場の趨勢に適った仕様を定め、

待ちに徹しているエンブラエルと同じです。

まあエンブラエルの方は、従来型のE175には現在143機の受注残あり、

今尚米国からちょいちょい受注があるので、焦ってちっこいヒコーキ作らずに余裕で待てるのと、

E175-E2開発の環境が整って「よし作ろう」と決めたら確実に作れるので、

三菱とは事情がかなり違うんですけどね。

それでも、エンブラエルがE175の改良型を作ろうと決めた際、

現状北米で売れないのを承知でもう少し大きいサイズに仕様を決めたこと、

すぐにも緩和されるだろうと見込んでいた労使協定がなかなか合意しないこと、

それでもブレずにずっと待ち続けていること、

待ち続けられるだけの状況にあること、

オイラが思いつく範囲ですが、これだけの条件が揃っていなければ、

スペースジェットの優位性は、2020年に失われていてもおかしくなかった訳です。

エンブラエルがこれだけ待てるのは、スペースジェットの開発遅れも影響してるんですかね。

2022年現在、スペースジェットの優位性が保てるリミットは2027年~2028年に延びました。

それまでの間は、70席クラスに騒音、燃費に優れたGTF搭載機種はいません。

三菱スペースジェットには、まだチャンスが残ってます。

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三菱スペースジェット・3 [├雑談]

今更ですが、三菱スペースジェットがアレですね…つД`)・゚・。・゚゚・*:.。

MRJがロールアウトした2014年、関連記事を2つアップしました  

(もう続かない)と書いたのですが、今回はその続編です。

以下、例によってぐだぐだと。


勝機を掴んだMRJ

一概に「リージョナルジェット」と言っても、B737やA319まで含めると座席数にかなり幅がありますが、

70~90席クラスとして開発が始まったMRJの競合機としては、

ボンバルディア社のCRJ700(70席クラス)と、CRJ900(90席クラス)、

エンブラエル社E-JetシリーズのE170(70席クラス)と、E175(80席クラス)がありました。

どちらも派生型が充実している大ヒット作で、リージョナルジェット市場を拡大させた2強です。

使用エンジンは2社とも信頼と実績のGM社CF34系。

そんな中、三菱はPW社のギヤード・ターボ・ファン(以下GTF)エンジンを選定したのでした。

GTFは低騒音、低燃費の画期的なエンジンで、ビジネスジェットクラスでは既に実用化されていたのですが、

リージョナルジェットクラスとなると、実用化は技術的に非常に困難で、

実はGEも実用化に挑戦したのですが、断念した過去があります。

2007年10月9日、三菱がMRJのATO(正式客先提案)を行った際、併せてPWのGTF選定も発表したのですが、

当時のPWは三大エンジンメーカーの中で最も元気がなく、

しかもこのエンジンは長年開発を続けていたものの未だ未完成であり、

本当に実用化できるのか疑問視されていました。

「実績のないエンジン」ということは、路線に投入してから不具合が出る可能性があります。

これは余談になってしまいますが、ANA国内線使用のB777が搭載しているPW400エンジン(GTFではない)

に不具合が見つかり国交省から運航停止措置が出て、先日やっと運行が再開しましたが、

運行再開までには、ナント16ヵ月も要しており、

15機すべてを改修して路線投入するには、これから更に4ヵ月かかるとのことです。

こうした運航停止までいってしまうトラブルはなにもPWに限った話ではなく、

少し前にはANA B787搭載のRRエンジンでもありました。


"通常のエンジン"でもこんなトラブルがつきものなのに、ましてやGTFは新機軸を盛り込んだエンジンです。

これまでの知見が活かせないどんなトラブルが発生するかも分かりません。

実際GTFはイザ運航が始まるといろいろあって、航空会社から受け取りを拒否られたりなんてこともありました。

しかもGTFの場合、後述しますが機体がすっかり完成してから、

「GTFは開発がムリっぽいから、やっぱり信頼と実績のGM社CF34系にしよう」

と簡単に他のエンジンに変更するのが難しい事情があります。

「GTFを使う」という三菱の決定は、GTFと一蓮托生も同然であり、

関係者一同(いろんな意味で)ビックリだったのでした。

これは三菱にとってかなりのギャンブルではあるのですが、

新参者で実績のない三菱が世界の航空会社から興味を示して貰うには、大きなセールスポイントが不可欠なのです。

そしてGTFには、2強に先駆けて「世界初採用」を目玉にするだけの価値がありました。

三菱は、GTF搭載のMRJは従来機と比較して格段の低騒音、燃費は2割も低減可能であることをアピールしました。

PW社のGTF公式サイトによれば、ファン速度は前世代エンジンと比較して40%遅くなり、

最大75%の騒音低減を実現としています 

(GTFがどれだけ低騒音か比較した動画)  

燃費に関しては、MRJのATOと同じ頃、ボンバルディアはCRJの改良型である"NextGen"を発表したのですが、

「燃費効率5.5%向上」を謳っていました。

「燃費向上を実現した新型機です!!」なんて言っても、普通はこの程度のレベルアップがせいぜいと思うのですが、

MRJではそれが一気に20%ですからね。

公式発表に同席したPW社長は、「GTFはゲームチェンジャーになる」と豪語してました。


結果的にPW社はGTFエンジンを宣伝通りの性能で無事完成させ、

三菱にとってはかなりのギャンブルでしたが、この完成を受け、勝機を掴むことができたのでした。

そして三菱の目論見は大当たり。

低騒音、燃費性能に優れたMRJには続々と注文が相次ぎ、

初飛行もしないうちから、確定223機、オプション180機、購入権4機、

合計407機の受注を得ることに成功したのでした。

この受注ペースは過去に例のないものだったそうですヽ(*´ヮ`)ノ

三菱のATO(2007年10月)当時のボンバルディアとエンブラエルの受注状況について、

過去記事をいろいろ漁ってみたんですが、こんな数字がありました。

ボンバルディア社:CRJ(1991年初飛行)
2008年1月末のCRJ全体の受注残:188機
2008年3月下旬時点:NextGenシリーズ全体で205機の確定注文 

エンブラエル社:E-Jet(2002年初飛行)
2007年12月現在の確定受注は、E‐170:170機、E-175:129機 計:299機(21コマ) 

受注残だったり、確定受注数だったり、

CRJは50~100席超まで幅がある全モデルの数字であるなど、すんなり比較できない数字ではあるのですが、

それでもMRJの合計400機超という数字が如何に凄いものか、という点はうかがい知れるのではないでしょうか。


MRJのアドバンテージ

実用化が疑問視されていたGTFエンジンの採用で勝機を掴み、受注を伸ばすことに成功したMRJ。

新参者のくせにGTFのおかげで大反響の状況を、リージョナルジェット界の両雄が黙って見過ごすはずもなく、

どちらも揃ってPWのGTFエンジン採用に動きます。

先に動いたのはボンバルディアでした。

とはいっても、ボンバルディアはCRJのエンジンをGTFに換装したのではありません。

CRJよりずっと座席数の多い100席超クラスの「Cシリーズ」を新たに開発することにして、

この新型機にGTFを選定しました。

新型機開発ですから、これは年単位で時間がかかります。

「CRJのエンジンをGTFに換装すればすぐじゃん」と思いますよね。

ボンバルディアのCRJと、エンブラエルのE-Jetは、どちらもCF34系エンジンを使用しているのは前述の通り。

性能とウケが良いからと、CF34系からGTFに換装しようとすると、大きな問題があります。

GTFは画期的なエンジンではあるものの、CF34系と比較して一目でハッキリ分かるほど太く、そして重いです。

ボンバルディアのCRJは、元々ビジネスジェット機チャレンジャー600の発展形として開発されました。

ビジネスジェット機はリアエンジン方式が世界の常識。

チャレンジャー600も、そしてここから発展させたCRJも当然リアエンジン方式。

リアエンジン方式の場合、エンジンが多少太くなっても問題ないのですが、

ヒコーキは、主翼で揚力を発生させて機体を持ち上げるため、

主翼を重心にして前後のバランスを保つのがとても大事です。

CF34エンジンで前後のバランスがとれている状態なのに、これをGTFに替えてしまうと、

お尻側が重くなってしまい、尻下がりになって飛べません(XДX)

こうした根本的な問題があるため、CRJはGTFに換装できないのでした。


一方、エンブラエルのE-Jetの方は、主翼下にエンジン吊り下げ方式を採用しています。

これならGTFに換装しても前後バランスが大きく崩れたりはしないのですが、

三菱曰く、重量の大きな変化は空力特性を大幅に変化させてしまうため、

単純にエンジン換装しても利点を十分に活かすことはできないとしていました。

加えて、ヒコーキの脚は非常に重いため「短いほど良い」とされており、元々地上高には余裕がなく、

ここに太いエンジンを取り付けると地上に擦ってしまうという根本的な問題があります。

(某サイト様によれば、CF34の直径135cmに対し、GTFの直径は201cmとありました)

簡潔に言えば、GTFへの換装は、CRJは重いからムリ、E-Jetは太いからムリ。ということになります。

F-1の2秒で終わるタイヤ交換みたいに簡単にはいかないんですね。


「CRJとE-JetにGTFエンジン取り付けはムリ」と書きましたが、実は不可能ではありません。

但し、機体の大幅な設計変更が必要です。

CRJの場合、お尻が極端に重くなって前後バランスが大きく崩れるのが問題になる訳ですが、

これを改善するには、前部胴体をストレッチするか、後部胴体を切り詰めれば良いです。

前部胴体をストレッチすると座席数は増え、当然重くなります。

エンジンがスゴイ重くなるのも相まって、翼面積や機体強度、構造を見直す必要が出るかもしれません。

それではと後部胴体を切り詰めると、その分後部胴体が軽くなって重いエンジンと相殺できるし、

前後バランスがとれるのは良いんですが、

主翼と尾翼の距離が短くなり、飛行中の安定性に問題がでないか確認が必要です。

元々T字尾翼には、その構造上ディープストール(墜落に直結する)に陥りやすいという問題があるのですが、

主翼と尾翼の距離が短くなると、ディープストールにより陥りやすくなります。

対策はいくつかあるのですが、「主翼と尾翼の距離が短くなると、安定性が悪くなる」

という機体の素性の問題ですから、よりシビアな対策が必要です。


E-Jetの方は、エンジンが地上に擦ってしまわないように、ともかく脚を長くしなければなりません。

脚が長くなった分重くなりますし、エンジンもすごく重いですし、機体強度、構造の見直しが必要かもしれません。


「太くて重い」

エンジンにとってはネガでしかないんですが、これがMRJにとっては絶妙に有利に働いた格好ですね。

そして三菱の方は、当然ながらこの太くて重いエンジンを搭載することを前提に機体設計を進め、

GTFエンジンに最適化したヒコーキを2強に先駆けていち早く市場に送り出そうとしました。

「GTFエンジン搭載」は簡単にマネできないからこそ、これが大きなアドバンテージとなりました。

2007年10月9日のATO発表により、MRJは正式にPW製GTFの顧客第1号となりました。

そしてこの時点では、2011年の初飛行を予定していました。



2強の動き

MRJのATO発表から9ヵ月後の2008年7月、

前述の通りボンバルディア社が、PW製GTFエンジン搭載の「Cシリーズ」(現・エアバスA220)開発を発表。

CRJはリアエンジン方式でしたが、Cシリーズでは主翼吊り下げ方式を採用しています。

新型機ですから、こちらもMRJ同様、GTF専用設計の機体です。

但し、こちらは100~140席クラスですから、70~90席クラスのMRJとは直接競合しません。


エンブラエルの方は少し遅れましたが、2011年11月、

E-Jetの改良型であるE-Jet E2ファミリーを開発すると発表。

2013年1月、E2ファミリーのエンジンとして、正式にPW製GTF選定を発表。

そして同年6月、パリ航空ショーにてローンチしました。

GTF搭載型であるE2には、E175-E2、E190-E2、E195-E2と3タイプがあり、

このうち、E175-E2(80~90席) がMRJと座席数で直接競合します(これ重要)。


MRJの受注数を見れば、この流れは必然だったのでしょう。

ついにというか、とうとうというか、

エンブラエルがMRJと同様GTF搭載の競合機を発表し、追撃してきました。

騒音と燃費でこの2強の従来機が逆立ちしても太刀打ちできない圧倒的な優位性があるからこそ、

実績のないMRJの受注があっと言う間に増えました。

仮にMRJが選定したのが2強と同じCF34系だったとしたら、受注はこんなには増えなかったはずです。

同じ理屈で、実績のあるエンブラエルがGTF採用の競合機を出し、性能も同程度であれば、

MRJの優位性は失われ、受注状況は劇的なまでに変わるのは目に見えています。

実際、ANAがMRJを25機導入(うちオプション10機)すると表明してローンチカスタマーとなったのが2008年3月。

そこから受注400の大台まで積み上げるのに6年かかりました。

ところが、エンブラエルのE2ファミリーの方は、2013年6月のローンチから、

僅か1年余りで400機を超える受注を獲得して、あっという間にMRJに並んでしまいましたΣ(゚Д゚;)

まあエンブラエルの方は、MRJより座席数のバリエーションが幅広いというのも大きいと思うのですが、

ブランド力の差をまざまざと見せつけられた格好です。

(三菱スペースジェットが70~90席に対し、E2は80~140席)

そしてエンブラエルがMRJの競合機を出すと明言したことにより、

MRJが優位性を保てる猶予は、砂時計の砂が落ちるが如く、刻一刻と減り始めることになったのでした。


本格的にMRJの開発を始めた頃の三菱は、

「民間機事業をMRJだけで終わらせるつもりはない」と明言していました。

三菱航空機がMRJで橋頭保を築いて旅客機メーカーとして生き残るには、

先ずはMRJの初飛行、型式証明取得、デリバリーと開発を可能な限り迅速に進め、

「(70~90席クラスで)格段の騒音、燃費性能を有するGTF搭載型を納入できる世界で唯一のメーカー」

でいられる期間を1日でも長く確保することが重要でした。

優位性を保てている間に1機でも多く購入してもらい、世界中で運用してもらい、実績を積み重ね、

これがMRJの更なるセールスに、派生型の充実に、そして次の新たな機体開発へと繋がるはずでした。

ところがその後、MRJがもたついている間に、Cシリーズは2013年9月に初飛行。

PW製GTFの最初の顧客はMRJだったのに、そして当初の計画ではCシリーズより2年早く初飛行するはずだったのに、

最初にGTFで宙を舞ったのはCシリーズであり、ボンバルディアはその後も順調にCシリーズの開発を進め、

2016年7月にデリバリー開始。

べっ、別にCシリーズなんて、座席数が違うんだから競合しないし、悔しくもなんともないんだからねっ!!


問題はエンブラエルの方です。

エンブラエルE2シリーズのうちE190-E2は2018年4月に、そしてE195-E2も2019年9月12日にデリバリー開始。

そしてE175-E2(MRJと競合する方)も、ついに2019年12月に初飛行したのでした。

信頼と実績のエンブラエルがGTF搭載型のE175-E2のデリバリーを果たせば、

MRJの優位性はその瞬間失われてしまうことになります。

同じシリーズの2機種は既にデリバリーまでいっていますから、最後に残ったE175-E2のデリバリーなんて、

エンブラエルにとっては「出来て当然」という感覚だったはずです

(E2の開発は順調そのもので、計画を前倒ししたりした)。


(多分続きます)

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アントノフAn-225 [├雑談]

ご存じの方多いと思いますが、動画ご紹介です。


YouTube【興奮の航空無線】世界最大の飛行機が来て盛り上がる管制官とパイロット 
Twitter アントノフ社公式アニメ 



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モデューロ特別プラン [├雑談]



「モデューロ特別プランのご案内」


2022/4/1 USO通信・時事




 ホンダジェット販売数5年連続世界一達成を記念して、ホンダ・モデューロから特別プランが発表された。ホンダエアクラフト全面協力により実現した今回の特別プランの目玉は、「ホンダジェット純正パーツ使用」。愛車をどの程度改装するかはオーナー次第。車種、年式は問わない。

■運転席
ホンダジェットで実際に使用しているインストゥルメントパネル、センターコンソールに改装。
ガーミン社製アビオニクスG3000を導入すると、タッチパネル操作でATC受信可能(送信は不可)になる他、PFD、NDにGPS、車載センサーデータが入力されるため、実際の速度、高度、位置情報等が表示される。
ハンドルを操縦輪に変更可能である他、ホンダセンシング搭載車なら、スラストレバーで速度設定可能。
スイッチ、レバー等に任意の機能割振り可能(操縦輪のスイッチでナビの操作をするなど)。
L-R 2つ並ぶエンジンスタートスイッチのいずれかを押すと、エンジン始動/EVシステム起動。
ダッシュボード中央にレジナンバー取付。これは公式のものではなく、飽くまでホンダ社内で通用するものなので、オーナーの好きな英数字を指定することができる。但し申請順となるため、語呂合わせや好きな実機のレジナンバー等、人気のナンバーは注意が必要。

現在使用中のカーナビ/スマホ用専用ソフト/アプリ
主な機能:
・ホンダジェットのオリジナルオープニング画面
・アイコンに航法無線援助施設の各記号(NDB,VOR等)追加
・地図画面をエンルートチャートに切替
・距離:メートル/マイル、速度:km/ノット 表示切り替え
・全国の空港、飛行場のレターコード入力で目的地設定可能
 (一部対非応機種あり)

■車内
必要な寸法が確保できる車種なら、ホンダジェットで実際に使用しているシート、引き出し式のテーブル、間接照明等取り付けが可能
専用シートには座席下にはライフジャケットが収納されているので、万一の水難事故の際使用可能

ホンダエアクラフト顧問:藤野道格氏
 「今回、モデューロと共同でホンダジェットカスタマイズプランを発表できることを嬉しく思います。一人でも多くのお客様にホンダジェットの世界を体感していただければ幸いです。」

 ご成約のお客様の中から抽選で50組にホンダジェット試乗ご招待キャンペーン実施中。これは四月末までの期間限定なのでご検討はお早目に(出発空港は、丘珠、仙台、羽田、小牧、伊丹、岡南、北九州のいずれかの空港)。モデューロで代表的なカスタマイズプランを揃えている他、レジナンバーの貼り付けのみのお手軽なものから、ガーミンG3000を組み込んだ実機さながらのコックピットまで、オーナーの好みに合わせてオーダーメイドのプランが可能。料金、改修期間はカスタマイズ内容、車種による。興味のある方、まずは下記専用サイトにアクセスしてみてはいかがだろうか。

モデューロ/ホンダジェット特別サイト 





 

 

 

 

 

 

 

 

 









今日は四月一日


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ロシアの旅客機問題 [├雑談]

まずは一連のロシアの旅客機問題のおさらい。

2月24日 ロシア、ウクライナ侵攻。

これを受けボーイングは3月1日に、エアバスも翌2日にロシア機のサービス停止を発表。

更にEUはリース会社に対し、ロシアから一斉に機体を引き上げるよう通達。

これに対しロシアは、3月8日をもって友好国であるベラルーシを除く全ての国との国際線を閉鎖し、

すべての旅客機を国内に留め置く決定を下しましたΣ(゚Д゚;)

航空調査会社シリウムによりますと、515機が外国企業からのリース機なのだそうです。

その後ロシアは法改正( )を進め、"借りパク"はロシア国内では合法となりました(←今ココ)

でもどんなに法律を整えても問題はなくならないという話をぐだぐだと書いてみます。


サービス停止

ボーイングとエアバスのサービス停止措置により、メーカー純正部品の供給がストップします。

ヒコーキには定期的に交換しなければならない部品がありますし、

飛ばす限り不具合はつきもので、修理では手に負えず交換を要する部品が出ます。

ある程度のストックはあるでしょうが、それが尽きてしまえば、純正品が手に入らない以上、

旅客機メーカーの保証対象外の部品を使ったり、共食いせざるを得ません。


メーカーのサポートが停止になるとストップするのは部品だけでなく、これには情報も含まれます。

修理、交換等メンテの方法についてメーカーに直接問い合わせて教えて貰ったり、

この状態で飛ばしても大丈夫かどうか承認をもらうケースも多いのだそうです。

それでも今後はメーカーに頼ることができませんから、自己判断でヒコーキを飛ばさざるを得ません。

また、旅客機は数か月に一度程度マニュアルの更新があるそうなのですが、これもストップしてしまいます。

重大事故に至りかねない深刻な事態を回避する方法等、非常に重要な改善情報が出されても、

ロシアの航空会社はその情報を知らずに飛ばすしかありません。


ロシアの国内線

ロシアの東西距離は約8,900km。これは鹿児島空港からアメリカ西海岸に達する長さです。

国土面積は日本の45倍とぶっちぎりで世界一のロシアは、

コロナ禍でも国内線の需要回復が他地域と比較して飛び抜けて高かったです。

新幹線という快適で利便性の非常に高い乗り物でさえ、「4時間の壁」なんて言葉がある位ですから、

ロシアでは国内の移動にヒコーキを使わざるを得ないケースは、日本とは比較にならないほど多いと思います。

ロシア国内を飛ぶ旅客機は今後時間が経過するごとに危険度が増してゆき、

そんなヒコーキに命を預けざるを得ない状況がどんどん増えることになります。

今はリース会社の1兆円超の被害が注目され、一見ロシアは丸儲けな感じですが、

一旦重大事故が起きてしまえばこんなに自業自得な事故もなく、

巻き込まれてしまったロシアの乗客にとって取り戻しのつかない事態になると思うのですが…


こんな状況がいつまでも続いてはならないですし、

サポートが受けられる状態に1日も早く戻って欲しいと願いますが、

現在の状況が続けば続くほど、その機体は危険性の高い機体と見なされるでしょうから、

リース会社に返却するにしろ、買い取って使い続けるにしろ、サポートを受けられなかった空白期間を取り戻し、

最新のアップグレードを施すための時間と費用は大変なものになるはずです。

それからロシアの航空会社全体に対するイメージの問題があります。

再び元のサポート体制に戻ったとしても、「ロシアの航空会社は危険」というイメージは長くつきまとうはずです。


数字で見るロシアの運用器材

ロシアの航空会社が保有している旅客機のうち、ボーイング、エアバスがどの程度を占めているのか。

などなど調べてみました。

前出の航空調査会社シリウムによれば、「ロシアの航空会社は980機の旅客機を運航している」とあるのですが、

オイラが参考にさせて頂いたサイト様:FlyTeam/ロシアの航空会社一覧(下記リンク参照)によれば、

ロシアの航空会社が保有する旅客機の合計は、1,005機でした。

(そこそこ)丁寧に数えたつもりなんですが、25機のズレが出てしまいました。

集計ミスがあったらゴメンなさいm(_ _)m

同サイト様の一覧には、機体ごとに「運用中」「保管」「抹消」「改番」とあり、

「保管」とついている機体がちょいちょいあったのですが、

(コロナだしなぁ)と思い、「運用中」と共に「保管」も1,005機に含めてあります。

1,005機のメーカー別の内訳は以下の通りでした。

西側の機体:812機
(内訳:ボーイング/エアバス 707機、ATR 22機、エンブラエル 29機、デ・ハビランド 15機、ボンバルディア 39機)

東側の機体:193機
(内訳:スホーイ 150機、ツポレフ 26機、イリューシン 12機、ヤコヴレフ 1機、アントノフ 4機)

サポート中止をハッキリ表明したボーイングとエアバスだけで707機。
これはロシアの旅客機全体の70.3%に達していますから、影響が非常に大きいのは明らかです。

他の西側メーカーも恐らく全体としてはこれに追従する流れになるでしょう。

では東側の193機は安泰かというと、そうでもありません。

東側の旅客機で大きな割合を占めているのはスホーイ社の150機ですが、

これは全て「スホーイ・スーパージェット」(SSJ-100)です。

機体こそロシアのスホーイ社で製造しているのですが、エンジンはパワージェット社のSaM146を使用しており、

このパワージェット社は、フランスのスネクマとロシアのNPOサトゥールンの合弁企業です。

他の東側の機体についても、ヤコヴレフ社の1機は、Yak-42という機体で、これは機体はロシア製ですが、

エンジンはウクライナ製です。

そしてアントノフ製を4機運用していますが、そもそもアントノフはウクライナのメーカーです。

アントノフ製のうち、An-148(3機)はエンジンもウクライナ製です。

余談ですけどアントノフAn-225の破壊は世界中の航空ファンに言いようのない精神的苦痛を与え、

ロシアは世界中の航空ファンまで敵に回してしまいましたつД`)・゚・。・゚゚・*:.。

ということで、機体もエンジンもロシア製なのは、ツポレフ 26機と、イリューシン 12機 合計38機だけです。

(内訳:Tu-204 16機、Tu-214 7機、Tu-154m 3機、Il-62 4機、Il-96 8機。西側エンジン搭載型もあるけどそこは確認済)

これはロシアの全旅客機の僅か3.8%に過ぎません。

この38機は機体もエンジンもロシア国内で生産している訳ですが、

機体なりエンジンなりを構成するパーツが100%ロシア国内のメーカーで賄っているとは考えにくく、

世界中を敵に回している現状では、関係者は例外なく政府の決定に頭を抱えているのではないでしょうか。

今は借りパクした515機という数字が注目されていますが、こうして見ると、

その影響は515機どころか、ロシアの約1,000機の旅客機全体に及ぶといっても過言ではないと思います。


アエロフロートのフリート

一例として、ロシアの航空会社1社に焦点を当ててみます。

「ロシアの航空会社」といえば、真っ先に思い浮かぶのはやっぱりアエロフロートですが(オイラ脳内調べ)、

2022年3月21日現在、アエロフロートの公式サイトを開くと、

2022年3月1日現在の運用機材が出ています(下記リンク参照)。

それによれば、

B777 22機、B737 37機、A350 7機、A330 12機、A321/А321NХ 36機、A320/А320N 64機、SSJ-100 9機

となっており、計187機のうち、SSJ-100 9機だけがロシア製、後は全てボーイング/エアバス製です。

アエロフロート全フリートのうち、ボーイング/エアバス機は95%に達する計算です。

かつてソ連の国営航空会社として世界最大の座に君臨していたあのアエロフロートが、

ソ連崩壊と共に西側の器材の導入を進め、今ではこんなことになっていたんですね(☆Д☆)

同サイトによれば、2026年までにSSJ-100を更に100機導入する計画とのことですが、

SSJ-100は航続距離3,000km~4,500km程度、2クラス87席の小型機です。

B737、A320/321の140~196席よりずっと小型のクラスであるため、

今後計画通りに導入が進んでも、SSJ-100は西側機との置き換えということにはなりません。

(座席数は全て同サイト内から)



ICAOからSSC(重大な安全上の懸念:Significant Safety Concern)等、何らかの措置が出される可能性もあり、

今のロシアは、中長期的に見て自らの首を絞める選択ばかりしているように思えてなりません。

今回は旅客機だけしか調べてませんが、ロシアの貨物機にも西側の器材が多数使用されています。

「最新のアップグレードを実施しました」という証明がないヒコーキの乗り入れはお断り。

なんてワクチンパスみたいなことにならないかしらん。

1日も早く今の状況が改善されますように。




FlyTeam/ロシアの航空会社一覧 
アエロフロート公式サイト 
















アエロフロート B/A 178  スホーイ 9
UTエアー B/A 50 ATR 15
アズール・エア 33機(全機B/A)
アルロサ航空 4機(全機B/A)
アンガラ航空 3機ともAn-148-100E 機体、エンジン共にウクライナ製
イル・アエロ B/A 1 CRJ 3  スホーイ11  
ウラル航空 61機(全機B/A)
S7航空 B/A 89 エンブラエル17機(GE)
オーロラ B/A 11 DHC 10機
ガスプロムアヴィア スホーイ10機、B/A 3機
クラスアビア ATR 6
ノードウィンド航空 49機(全機B/A)
ノードスター航空 B/A 11 ATR 1(PW)
ヤクティア・エア アントノフ1(R)  スホーイ6  B/A 8  DHC5
ヤマル・エアラインズ ボンバルディア9  スホーイ15 B/A 12
ノースウェスト・エアカンパニー B/A 2
ブラル スホーイ1
コスモス・エアラインズ Tu-204-100 1(オールロシア製)
レッドウィングス Tu-204-100 6(オールロシア製) スホーイ13 B/A 19
シリウス・アエロ CRJ 1  ERJ 3
ヴォルガ・ドニエプル航空
ラスライン CRJ23
ロイヤル・フライト B/A 17
ペガサス・フライ  B/A 6
デクスター エアー タクシー B/A 1
シトラス  B/A 1
アビアスター Tu-204-100 4(オールロシア製)  B/A 7
ロシア航空 B/A 68  オールロシア23 スホーイ65
セバスタル  CRJ4 スホーイ4
イリユーシン Il-96M ロシア/PW
RusJet ERJ-135 1  Yak-42D 1(ロシア、ウクライナ)  Tu-204-100 1(オールロシア製)
   スホーイ 1  ERJ 2
アイ-フライ B/A 11
ビジネス・アエロ Tu-204-300 1(オールロシア製)
サムルシテラ B/A 1
サウス・イースト・エアラインズ Tu-154M 1(オールロシア製)
ポーラー・エアラインズ Dash 8 1
ポベーダ B/A 44
コミアビアトランス・ステート・エアコミアビアトランス・ステート・エア・エンタープライズ
 エンブラエル 6
UVTアエロ  ボンバルディア 7
アジムト・エアラインズ スホーイ 15
スマートアヴィア B/A 18
イザヴィア  B/A 2

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